• 兵庫県のキャンプ場で行われる『みんなであそぶフェス』ONE Music Camp 主催者インタビュー


    「みんなであそぶフェス」をテーマに兵庫県三田市のキャンプ場で毎年夏に行われる野外音楽フェスティバル、ONE Music Campの主催者にお話を聞いてみました。

    左から「YUTAさん」「SATOさん」「HIROさん」

    左から「YUTAさん」「SATOさん」「HIROさん」

    ─ 皆さんの出会いを教えて下さい

    HIRO: 音楽好きなら誰しも脳内でフェスティバルの出演者とか考える事があると思います。2年間手伝ってみて、ONE Music Campは本当に自分自身がやりたいことだと思ったので一緒にやらせてくださいと申し出ました。

    YUTA: 僕は今年で2年目になります。フィリピンに住んでいたことがあり、フィリピンのバンドとつながる機会が多くて、ONE Music Campの関係者の方からアジアのバンドを紹介してほしいという依頼を受けたつながりからFacebookでSATOさんと知り合ったのがきっかけです。その後大阪に引っ越してSATOさんと食事する機会があり、意気投合して一緒にはじめる事になりました。

    SATO: ONE Music Campは最初もう一人主催メンバーがいたんですが、5年目で抜けることになり現在の体制になりました。

    ─ 会場が兵庫県三田市になった経緯は?

    SATO: フェスティバルをやるにあたってオールナイトでやるということが大前提にあります。昼だけのイベントは夜になると夢がそこで終わってしまう様な気がしてしまい、朝までやろうという考えでずっと動いていました。都市部では騒音の問題もあります。できれば朝まで音を出せる所でないと意味がありません。以前の主催メンバーから三田アスレチックはどうかという案が出て、とりあえず電話してみようと思い電話をして「フェスティバルやりたいんですけど」、「朝まで音だしたいんです」、「できればオールナイトで」と唐突にやりたいこと全てを伝えると近隣に配慮するという条件つきで快諾してもらえました。会場に行ってみると雰囲気も素晴らしく良くて、その時に「もうここしかない!」と決断しました。

    Night light
    photo by お客さん

    #onemusiccamp

    ONEMusicCampさんの投稿 2016年6月28日

    ─ 今年で7年目となりますが、ポイントとなった年はいつですか?

    SATO: キング・ブラザーズが出たのが2年目だったよね?

    HIRO: そう、キング・ブラザースが2年目でした。

    SATO: ポイントとなった年は2年目ですね。1年目は本当にお客さんが来なくて50人ぐらいしかチケットが売れずに、友達を必死になって呼んだ覚えがあります。1年目を無事に終えてとにかく2年目もやろうという話しになりました。野外フェスティバルということもあり、お客さんが望んでいるものを提供しないといけません。ONE Music Campにくるお客さんの多くはリラックスできるアーティストを望んでいると思い込んでいたけど、リラックスとは無縁なキング・ブラザースが出てくれることになりました。彼らが兵庫県西宮が地元のアーティストということもあり、フェスに近隣以外からも多くの人がきてくれるようになりました。お客さんは大喜びで、ジャンルにとらわれない今のブッキングの流れにつながっていることは間違いないですね。毎年多くの出来事がありますが一番2年目が印象にのこっています。

    ─ 参考にしているフェスはありますか?

    SATO: やっぱりフジロックですよね。フジロックみたいなことがやりたいとスタートしたけど、今はフジロックに無いものを作りたいと思っています。SMASHの代表の日高さんの書籍『やるか Fuji Rock 1997‐2003』も読んで影響されているのは確かです。フェスティバルという文化を日本に定着させたのは間違いなく日高さんをはじめとしたスマッシュの方々なので、とても尊敬しています。自分自身でもフェスティバルでの素晴らしい体験を作ってみたいと思うようになりました。

    ─ ONE Music Campが目指している目標は?

    3YUTA: 僕たちは皆音楽とは関係のない仕事をやりながらフェスティバルを作っています。「音楽が好き!」という気持ちだけでどこまでフェスティバルを作れるか挑戦みたいな部分があります。

    HIRO: 有名なアーティストも出ますが自分たちオススメの無名に近いアーティストも出ます。有名無名問わずに自分たちが良いと思うアーティストの垣根を壊していきたいと思っています。あの大自然の雰囲気にも力を借りながらですが、ラインナップが誰であろうと足を運んでいただけるようなフェスティバルになればと思っています。

    ─ 今年は、オブモントリオール(of Montreal)といった海外アーティストの出演が決定していますがブッキングをするにあたって困難なことは?

    SATO: ぶっちゃけ、縁ですね。苦労ももちろんありますが、縁の部分が大きいです。

    YUTA: 縁があり知り合うことがあって、出て欲しいという自分たちの思いをストレートに伝えて快諾していただけたんです。運だけで運営している訳じゃないですが、偶然の重なりが良い方向に進んでいったという言い方が正しいと思います。

    SATO: 機材のことに関しては困難が多いと思いますね。電圧が違ったりすることも多いのでPAさんは大変だと思います。日本のアーティストが出してくるセッティングリストの多くは要望を事細かに分かりやすく記載されています。過去にもアジアの国のバンドが何バンドか出ましたが、海外のアーティストはフィーリングを重視したセッティングリストといいますか。。「ドラムはリンゴ・スターみたいな感じがいい」と言われた時は衝撃でした。きっとそれぞれのバンドに共通認識の様な型があるんでしょうね。それを汲み取るのが大変です。

    ─ ONE Music Campは国内アーティストのブッキングに定評があるのですがどういった決め方をしていますか?

    SATO: 出演アーティストについては常に、もし自分がお客さんとして行ったとして新鮮、面白い、と感じるかどうかで決めたいと思っています。お客さんは自分の好きなアーティストを遠慮なく言ってくる。自分たちのできる限界を突破しないといけません。型にはめたブッキングをしていたら全体的につまらなくなってきっと支持されないフェスになってしまうと思います。

    YUTA: ブッキングについては、SNSを通じて色んな意見を取り入れようとしています。お客さん全ての意見は反映できていなのが実情ですが。

    SATO: 小さいフェスだからこそ、細かい情報までチェックして取り入れようとは動いています。

    HIRO: 年初めに、仮のブッキングリストを制作して動いています。アーティストの音源を聴いて三田アスレチックの自然の中でどうなるだろうとかイメージしながらブッキングを進めていきますね。

    ─ 出演者以外でおすすめのポイントは?

    2SATO: お客さんが「フェスティバルに何しにくるのか?」をよく考えました。音楽を聴くだけであれば、ライブハウスやホールに行く方がずっと良い音がするしいいはずです。。じゃあ、自然の中でやりフェスティバルに何故わざわざ足を運んでくれるのか?僕らは「毛穴が開く」と表現しているんですが、聴覚、視覚だけでなく五感で楽しめるからこそだと思っています。だから自然の力ってもの凄いものがある。音楽だけではなく、アウトドアから知る音楽があってもいいと思っています。そこで昨年から”Back To The Nature”(バック・トゥーザ・ネイチャー)という子供から大人まで楽しんでいただけるエリアを設けています。自然に帰ろうという意味を持った場所です。アウトドアやものづくりが好きな仲間たちが、段ボールピザ窯を作るワークショップをしたり、テントの中でスチームサウナや、木製のコマやキーホルダーを作るワークショップもする予定です。去年から、ドラム缶風呂も設置しています。仲間が色んなアイデアを、ミーティングの度に「これ面白いでしょ?」と提案してくれるので、とてもありがたいです。

    relaxin
    photo by Hiroshi Maeda

    http://www.onemusiccamp.com

    ONEMusicCampさんの投稿 2016年6月27日

    HIRO: ONE Music Campはホームページにボランティアの募集要項にやりたい事を書ける欄を設けています。良いアイデアを提案していただいたら、もっとフェスティバルとしての楽しさが増えると思っています。ONE Music Campは、自分たちの意見だけで作るのではなく面白い事があれば取り入れ、みんなで挑戦する場でありたいと思っています。

    YUTA: プールに入ってもらって、サウナに入ってもらって、それでドラム缶風呂に入ってもらって。そしてまたプールに入っていただくのも良いなと思っています(笑)

    ─ 今年、来場されるお客さんに一言お願いします。

    SATO: ONE Music Campを選んでいただいて本当にありがとうございます。きっと素晴らしい音楽とアウトドアの体験ができると思います。

    YUTA&SATO: 本当に感謝しかないですね。

    プールがあるフェス、ONE Music Camp です。

    Photo by Hiroshi Maeda
    http://www.onemusiccamp.com

    ONEMusicCampさんの投稿 2016年6月30日

    インタビュー:前田博史
    文:三浦孝文
    撮影:前田博史


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    ONE Music Camp 2016

    開催日時:
    2016年8月20日(土)
    open10:30 / start12:00

    開催場所:
    兵庫県三田アスレチック野外ステージ

    料金:
    入場券 5,500円
    入場券+駐車券セット 7,500円 (SOLD OUT)

    アクト:
    OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND、曽我部恵一、あらかじめ決められた恋人たちへ、of Montreal(from USA)、Predawn、MASS OF THE FERMENTING DREGS、SODA!、JOHNSONS MOTORCAR、ワンダフルボーイズ、思い出野郎Aチーム、Tempalay、ドミコ、Muff、MONSTER 大陸、Counterclockwise(from Thailand)、Mantravine(from Singapore)、fula、トレモノ、JinnyOops!、クリテツ、LITTLE BITCH / サラケダス

    HP:
    http://www.onemusiccamp.com
    https://www.instagram.com/onemusiccamp/
    https://twitter.com/ONEMusicCamp
    https://www.facebook.com/ONEMusicCamp
    http://onemusiccamp.blogspot.jp/

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