週刊フジ 〜名場面編⑩〜
- 2016/07/13 ● 週刊フジ
2009年のどや話
筆者が音楽仲間内で集まるとよく交わしているのが「自分が見に行ったライブのどや話」。
「自分こんなライブ観てるんだぜ」「最高に良いライブだったんだぜ」という、まぁ自慢話です。
フジロックでもそういう「どや話」になるようなトピックスが過去たくさんありましたよね。そんなトピックスの中で、筆者がここ最近のフジロックで(個人的に)一番印象に残っているのが2009年です。
「オアシスが解散前最後の日本でのライブ」
「記録的な悪天候のため、初めてオールナイトフジが中止に」
「フジロック第一回に参加予定だったウィーザーが12年越しのフジロック初出演」
「フジロック、クロージング史上最高の呼び声高いベースメント・ジャックスのライブ」
と、たくさんの大きなトピックスがあった年でした。
中でも、一番大きかったトピックスといえば忌野清志郎さん急逝を受けてのトリビュート・ライブです。彼をリスペクトする国内外多数のアーティストが集まったバンドによる思いが詰まったプレイに会場の誰もが感動。
ロックンロールのかっこよさ、リズム&ブルースの素晴らしさに浸ることができた時間がひたすら心地よくて、この感覚と余韻にしばらく浸っていたいと思ってしまった筆者は、当初見るつもりだったその日のヘッドライナーであるフランツ・フェルディナンドをパスして、トリビュート・バンドにも参加していたブッカー・T・ジョーンズを見るために、オレンジコートへ。
そこで見たブッカー・Tは、それはもう素晴らしくて ”音楽の楽しさ、温かさ” に満ち満ちていました。
あのときフランツを見て今のロックンロールを堪能して終わるのも良かったけれど、ロックンロールのルーツであるリズム&ブルースを体感するためにオレンジに向かったことは今も後悔していないし、”筆者にとってのフジロック”を語る上で欠かせない貴重な「どや話」です。
Photo by Koichi Hanafusa
Text by 若林修平
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