フジロックを運営する日高大将のように、「音楽イベンター」と呼ばれるイベントの企画・運営を行う人が全国各地に存在します。そんな音楽イベンターを紹介するドキュメンタリー映画、『スーパーローカルヒーロー』が公開されました。主役は広島県尾道市に暮らす信恵勝彦氏。信恵氏の日常を通して、音楽イベンターの活動、そして音楽を通じた人との関わり方を伝えます。

信恵氏は尾道駅北口のすぐ裏手にあるCDショップ「れいこう堂」の店主であり、エゴラッピンやオーサカ=モノレール、ハンバートハンバートなど、数多くのアーティストを尾道に招聘するイベンターとして名が知られている人物。音楽に対する真っすぐな愛情と、実直な人柄が数多くのミュージシャンに支持され、2009年には尾道に住む信恵氏を、9組のアーティストが東京に招聘するという不思議な構図のイベントが開催されたこともありました（イベントレポートはこちら）。

東北地方太平洋沖地震が発生した3.11以降はイベンターとしての活動をほとんど休止し、「子どもたちを放射能汚染から守りたい」という一心で、福島県をはじめ、東北、関東地方の家族を尾道に受け入れる活動を始めます。映画本編で描かれるのは、そんな3.11以降の信恵氏の姿。震災発生当時はイギリスで暮らしていた田中監督が尾道に移住し、2年半かけて信恵氏の日常を追い続けたドキュメンタリーとして構成されています。人は、他人のためにどこまで献身的になれるのか。そして、そういった場面で音楽はどのような力を持つのか。尾道という田舎町に住む等身大のヒーローは、言葉ではなく、背中で答を示してくれます。

■映画『スーパーローカルヒーロー』公式サイト
http://superlocalhero.com/

■上映スケジュール
広島　横川シネマ!!（6月14〜26日）
広島　福山駅前シネマモード（7月12〜18日）
大阪　第七藝術劇場（近日公開予定）
京都　立誠シネマ（近日公開予定）
※上記の他、全国の劇場で順次公開予定