エーグル西森さんインタビュー
仕事でフジロックに行く~エーグル西森さんインタビュー
【06年フジロック期間中の過ごし方】
会場に木曜10時くらいに入って、まず自分たちのテントや本部を設営しキャンプサイト開場の準備をします。そして12時にゲートがオープンして、お客さんが入ってこられるのをみると、いよいよ始まった! と気持ちが上がってきますね。何度みても何もないキャンプサイトがみるみる埋まっていくのは壮観ですよね。視察で来ている会社のスタッフもこの光景に一番驚いていきますね。
よろず相談所には協賛メーカーや出版社の参加スタッフを合わせて30人程で運営しています。各スタッフでシフトを作成して、受け持ちの時間ごとに担当を持つ流れです。
基本は本部でのよろず相談と、となりのブースでの手作りワークショップの先生(自称)役ですね。ワークショップでは、すぐに使えるマイ箸、マイカップ、麻紐で作るペットボトルケースなどを作れます。連日盛況で、参加者の音楽だけではないゆったりとした時間の使い方をみるとなんだかうれしいですね。
相談所は、ほぼオールナイトで運営しており、各社持ち回りで当直もあるんです。シフトを組んでいますが、だいたい朝は6時くらいに起きています。当直でないときも 寝るのは1時か2時くらいで、期間中はあんまり寝ている感じはしないですね。
ちなみにエーグルからの参加スタッフは全部で7人、5日間通しのメンバーが3人いて、2人ずつが木金土の前半、土日月の後半と入れ替えで来ています。日々の業務はもちろんありますが、エーグルのスタッフにも出来るだけフジロックがどんなものかを体験できるように考えました。

シフトの合間があるのでライヴも体験していますよ。前夜祭は少年ナイフを観させてもらいました。今年シフトの時間組みが良かったのか、フランツ、レッチリ、ストロークスを観ることができました。みんなが気を遣ってくれたのかもしれないですが。しかし去年は一番観たかったCAKEを見逃したということもあります(涙)。レッチリももちろんですが、ストロークスが良かったですね。

ライヴだけではなくフラーっと場内を散歩したり、ところ天国でゆっくりしたり。お客さんと同じ気持ちでフジロックを体験しています。でもお客さんのことはついつい観察してしまいますね~。おっ、エーグルのラバーブーツを履いているなとか、あの防水パーカはカッコイイ(他社でした)など、職業上どうしても意識してしまいますね。時には声をかけて写真を撮らせていただいたり、使い心地を伺ってみたりと次の仕事に生かせる情報を集めることができましたね。
【よろず相談所のつらい相談】
――お客さんはどのように変わっていきましたか?
レインスーツを着ていられる方は本当に増えましたね。雨が降り出してササッと着込むのが慣れている方が多いです。あと僕たちの目線ですが、より高機能のレインウェアを着ているお客様を見つけると「わかってらっしゃる、カッコイイです」と思ってしまいます(笑)。
先ほどもラバーブーツの話がでましたが、カップルで揃えているのを見かけるようになりました。男性のお客様の着用率が増えましたね。自分達も履いているのでうれしい限りです。
――「よろず相談所」で、とんでもない相談ってありましたか?
2006年で僕がつらかったのは、「テントがないんです」っていうものですね。テントを建てたのに帰ったらテントがなくなっていると。「場所を忘れちゃったんじゃないの?」っていうと、「あのあたりなのに、ないんです、ないんです」って言うばかりなので「じゃあ一緒に探しに行く?」って2人で1時間ぐらいかけてようやく見つけだしました。やはりよくある形のテントでしたね。
あとは、テントがもともと備えつけてあると思って「僕はどこに泊まればいいですか?」って、(自分のことは自分でやろうと)あんなに啓蒙していただいているのですが、伝わらない方もいらっしゃいますね。そういう時には、「明日帰るならオールナイトで遊ぶのは?」「会場で友だち作ったら? でっかいテントに1人で寝ている人もいるから、そこで寝かせてもらったら」なんて話をしたこともます。けっして意地悪で言っているのではなくて、普段と違う環境のなかで起こったことに対して、「どうしよう」とまずは自分達で考えてみるのもいいのではと思います。一緒に考えるのはその後でもいいかなぁと。
それと、トラブルではないんですけど残念だったのが、自分たちの本部の前でBBQが出来るのですが、月曜日の朝に「このBBQセットを捨ててください」って来られたこともあります。まだ使えるのにもったいないなぁ~。ただ、この2年間を見ただけでも、お客様のフジでキャンプをすることへの順応度はかなり高くなってきているのを実感しています。なので、よろず相談所のあり方もこれからはまた変わっていくかもしれないですね。
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