【ホテルは、ただ泊まるだけの場所ではないから】
——プリンスホテルも同じ状況なんですか？
石飛：そこはちょっと違っていて、プリンスホテルは色々な旅行代理店と契約をしていて、統一していくのが難しかったんだよ。それを６年かけて、フジロック期間中は全部屋を預けてもらえるようにお願いをしてきて、取り扱い部屋数は増えて来ていたんだよ、これまでは（笑）。
——そこで、今回の事件なわけですね。
石飛：苗場プリンスホテルは全部で５館あって、今までは千数百の部屋を確保できていたのね。だけど今回の5号館閉鎖によって、そのうち4—500部屋が使えなくなることになって、しかも部屋のタイプが全てツインなわけ。結果的に全体のツイン部屋もほとんどなくなって、スタッフも会議室に雑魚寝するとか色々と試行錯誤してみたけど、どうしてもお客様に提供する分が確保できない。
——フジロック期間中だけ開けてもらうとか、できないんでしょうか？
石飛：「軒先だけでもいいから貸して欲しい」っていうロッカーズのみんなの気持ちも分かるんだよ。でも、苗場プリンスホテルとしては、快適な宿泊サービスを提供しなければいけないという理念があるんだよね。老朽化による閉鎖に伴い建物自体の使い方が変わってしまうため（注：ベット等は撤去されるそうです）、「お客様に販売できるお部屋の状態ではなくなってしまう」ということで、ぎりぎりまでねばったけど、物理的な限界で本当にどうしようもないんだよ。結果的に、このタイミングでの発表になってしまったのは申し訳ないんだけども。
——申し込み方法などは変わるんでしょうか？
石飛：地震後の風評被害、去年の豪雪、今年の暖冬で廃業する宿も増えている一方で、フジロック期間中のお客さんは増え続けているからね。ツアーセンターとしては、苗場プリンスホテルを含めた競争率の高いエリアについては、今年から少しでも公平になるように完全に抽選にさせていただく方針です（注：詳しくはオフィシャルツアーセンターのサイトを参照してください）。