大将インタビュー
たっぷり聞いてきました! ドーンとおトクな大将インタビュー
フジロッカーズのみなさん、こんにちは。
早いものでフジロック'06から1ヶ月半が経ちました。すばらしい音楽を聴いて、おいしいごはんを食べて、いっぱい歩いて……今年も楽しい思い出がたくさんできたことと思います。
気づけば10年目。かつてはフジロック参加が絶大なダイエット効果をもたらしていましたが、最近じゃまったく痩せる気配なし。己の新陳代謝力低下に時の流れを実感するオバ・フジロッカーでございます。それと同時に、フジロックの成長や変化を前にして「うーむ」と考えることも多くなりました。このモヤモヤはなんじゃろね?
「こんな時は大将インタビューだ!」っちゅーことで、眉間のシワが気になるオバフジが日高さんにお話をうかがってきましたよ。
■予想してはいたけれど、今年もやっぱり人大杉!
——今年も人が多かったですねえ。
大将:そうだね。たぶん過去最高なんじゃないかな。特に土曜日が多かったね。
——以前にもお話ししたことがあるんですが、人が増えると新しいタイプのお客さんも多くなりますよね。「今まではこうじゃなかったのに」という意見が、オルグのBBSでもくり返し話題にのぼります。
大将: 実際にお客さんがそう感じているんだろうね。ただね、人が増えただけじゃなくて、世代が変わってきてるんだよ。そりゃ10年も経てばさ、フジロックが始まった時に小・中学生だった人が来るようになるんだから。過去9年間、みんなで勉強したり注意しあったことを知らない人たちも来てるんだよね。
俺自身、人が多いことによってみんなに窮屈な思いをさせていることはよくわかっているし、新しい世代が来ることに関して「自分たちは今までこうしてきたのに、それに比べて……」っていう気持ちも理解できる。でも、そこから先はネガティブに持ってってほしくないんだよね。
——初期から参加しているフジロッカーズは、世代交代の気配をビシビシ感じていると思います。その中で「今まで培ってきたものを伝えたい」って気持ちと、「でも声高にダメ出しはしたくないな」って気持ちがあって、悶々としてる感じですね。
大将: きみたちはネガティブだなあ。いつも言ってるけど、「今までうまくできたから明日もうまくいく」なんてことはあり得ないんだよ。過去から学ばなきゃいけない。“ルーティンワーク”に陥っちゃいけないんだ。まず自分たちを見直さないと。
たとえば、今年もフジロック前にうちのスタッフやA SEED JAPANのメンバーとゴミ関係の相談をしたんだけど、「ステージ上から訴えるのはなるべく控えてくれ」って言ったんだ。「できるだけ軽く訴えたうえで、もう一回我々が身を持って示そう」って。
要するに運営側も、ゴミが出ないことに慣れてしまってるんだな。「今までゴミが出なかったのに去年はひどかった。だから対策を強化しなきゃいけない」っていうのは違う。自分たちが反省しなきゃだめなんだ。「今までお客さんたちの協力でゴミが出なかったのが出るようになってしまった。それは我々が努力を怠ったからだ」と考えてくれってみんなに話したんだよ。でないと、相手の責任にするから。「若いから」「来たことがないから」ってね。
——うぐっ、耳が痛い……。
大将: 新しいお客さんたちが知らないのは当たり前なんだよ。それと人が多いということを一緒にしてネガティブなことを話していても前に進めない。つなげて考えちゃダメだよ。
何が本質なのかを考えてほしいんだよね。「今までこうやってきて問題がなかったからそうした方がいい」っていう考え方からは、何も新しいものは生まれない。安全だけを考えていたら、フェスティバルなんてできないんだよ。フジロックだって危険覚悟で始めたんだから。山の中で3万人が立って騒ぐなんてそれまでなかった。全部イス席にして「座って動かないでください」っていう方が安全だよ。でも幸い、フジロックはお客さんの協力やスタッフの頑張りのおかげで実現することができた。そういうことだよ。
新しい世代にどうやって引き継いでいくかっていうと、あーだこーだ言うんじゃなくて、自分たちがニコニコして楽しそうにやってりゃいいんだよ。初めて来た人が周りを見て、「ああ、自分もこうしよう」って思えるような雰囲気に持っていかないとな。
日本人は公共の場でのマナーがまだまだ弱い。暗黙のルールみたいなものが根づいてないんだよね。だけどフジロックは、日本の他の公共の場で見かけるよりもはるかに美しいよ。そりゃ何万人もいるから、マナーを守れない人もいるし単に知らない人もいる。でも俺は、誇れると思っているよ。
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