FUJI ROCK FESTIVAL'06 感動記

フジロック感動記~Some Glorious Days~

 前日で疲れ果ててしまった俺たちは、朝の九時前ごろ起床。さいやんが楽しみにしていたウルフマザーにはどうやら間に合わなそうだ。前日の疲れもあり、やる気を失くしかけていたが、なんとか一時過ぎに会場に到着。天気はまだ持っている。

 キングトーンズの始まる頃にグリーンステージに到着する。彼らは四十年以上前から活動し続けている超ベテランR&Bシンガーで、未だに多くのアーティストの尊敬を集め続けている。そしてそのステージングは期待はずれなものではなかった。全員がピンクのスーツを着ていて、振り付けもキメキメだ。リーダーの内田おじいちゃんは、声も全然出ていないし、音程もきわどい。しかし全員でそれを補っていて、それが実にほほえましい。代表曲「グッドナイト・ベイビー」はまさに名曲、苗場のロックファンにもその実力ははっきり伝わったようだった。

 続けてハイヴスがグリーンステージに登場。全員黒服に白のスカーフというかっこつけまくったファッションが実にかっこいい。そしてボーカル。あいつは絶対あほだ(笑)。頭を自分で強打し、それと同時につばを飛ばすギャグをやり続けたり、気絶する演技をしたと思ったらバンドの演奏が始まったとたんにゾンビのように復活してみせる。極めつけは、全員で音を決めたと思ったら、まるで静止画像のようにストップモーションをしてみせるし、そしてそれが長い!間違いなくあほの集団なのだがそれが実にかっこよかった。

 ハイヴスのパフォーマンスの途中だったが、さいやんが日本のバンドでもっとも楽しみにしていたストレイテナーがホワイトステージでパフォーマンスをするというので、ホワイトステージに移動。このステージは二番目に大きなステージで、約一万人を収容する。この頃から雨がぽつぽつと降り始め、フジロックの厳しい面が姿を現しだした。そしてそのストレイテナーだが、音割れがひどい。音量が大きすぎる上にギターがキンキンしている。聞くに堪えなくて二人でステージを後にして、食事に移る。しかしこのフジロック、食べ物も実においしくてバラエティーに富んでいる。アジアン、エスニック、ヨーロピアンン、和食・・・そしてどれもおいしい!結局二日間で六千円以上食べてしまった(笑)。

 ストレイテナーが終わり、アメリカのへヴィ・スクリーモバンドストーリー・オブ・ザ・イヤーを見ることに。これは当初見る予定はなかったが、友人のこうたの奨めもあり、見てみることにした。しかし、やはりへヴィー。ものすごい音圧とパワーで見ているほうを圧倒する。自分からは普段聞かないジャンルではあるが、確かにものすごいエネルギーで、周りを見渡せば熱狂と呼ぶにふさわしいライブであった。

 ストーリー・オブ・ザ・イヤーを後にして、オレンジ・コートのトラッシュカン・シナトラズに向かう。しかし、雨あしは強まるばかり。途中で温かいミルクを飲んで温まる。オレンジ・コートに向かう途中に通ったフィールド・オブ・ヘブンではトリスタン・プリティーマンのライブの最中だったが、これが実にいい雰囲気でいいライブだったようだ。トラキャンは、ネオ・アコースティックと呼ばれるムーブメントの生き残りと言われるバンドで、曲がさわやかで気持ちいい。しかし、降り続ける雨という状況のせいか、いまいち盛り上がることができない。結局、半分ほどで切り上げてグリーンステージに戻ることにする。


 グリーンステージでは電気グルーヴが始まるところだった。日本で確固たる地位を確立し、海外でも評価の高い彼らだが、俺はいまいち理解できなかったので、レッドマーキーのクーラ・シェイカーを見ることに。実は前日まで彼らを見るかどうかは悩んでいた。と言うのはグリーンステージではその直後レッド・ホット・チリ・ペッパーズがあり、彼らを見ていたらいい位置がとれないのではないかと思ったからだ。しかし、実際に見てみれば電気グルーヴの時点ですでに人は満員で、どちらにせよいい位置では見られそうにない。となればクーラ・シェイカーを見たほうが後悔はないだろうと考えた。
レッドマーキーはすでに超満員!それもそのはず彼らの人気は日本でもっとも高いのだ。ディープ・パープルのような骨太さ、ストーン・ローゼスのリズム。ドアーズのサイケデリック、そしてビートルズ(ジョージ・ハリスン)のインド趣味。それがクーラ・シェイカーという独自の才能であり、当時はそのようなバンドは確かに異端だったろう。一曲目はいきなり「Sound Of Drums」!キーボードをフィーチャーした、クーラ屈指の名曲だ。しかしライブは知らない曲を交えて進行し、どうにも乗りきってしまうことができない。新曲なのだろうかそれともB面なのか、とにかくもっとベストヒット的な選曲でも良かったような気がする。しかし後半の「Tattva」「Hush」「Hey Dude」の怒涛の流れにはやはり圧倒された。ここでレッチリのためにグリーンステージへ移動を始める(ラストはGovindaだったらしい、見たかった・・・)。

 グリーンステージではレッド・ホット・チリ・ペッパーズを待ち望む人・人・人!公式発表ではこの日4万5000人を動員したと発表していたが、その中の4万人近くがここに集結していたのではないか。下に下りていくのは不可能なので、斜面から全体が見渡せる位置を探す。気付けば雨もやんでいる。バンドは五月に出したアルバム、ステイディアム・アルケイディウムが日米英で同時に一位になるというスマッシュ・ヒットを記録。これは本当に素晴らしいアルバムで、自分はなぜこれを聞かずしてこのバンドのファンだったのだろうと思うほど。そしてフジロックの土曜日の券がたったの一週間ほどで売り切れたのも今のバンドの人気を表しているのだろう。

 そんな異様な盛り上がりの中、ライブが始まった。ジャムセッションからそのまま「Can't Stop」、そして二曲目は「Dani California」だ!もはやバンドの新たなるアンセムとなったこの曲は、ファンキーでありながらメロディアスなまさにRed Hot's Soundだ。新旧のヒット曲をバランスよく織り交ぜながらライブは進行していく。「Fortune Faded」のニューアレンジも、バンドの今を表していて実にかっこいい。そして白眉だったのが「Readymade」!ニューアルバムでも異色なこのハードロック・ナンバーは、ライブで聴くと何倍もかっこいい。こういう発見があるのもライブならではだ。「Snow」のアルペジオに感動し、「Me & My Friends」で踊り狂う。しかし今回のハイライトの一つはレッドホットチリペッパーズのなかでも屈指の名曲「Wet Sand」だった。これをはじめて聴いたときには感動で文字通り涙が止まらなかったが、ライブでもその感動を再び感じることができた。エモーショナルなボーカル、ギター。美しいメロディ。これを聴けただけでも今回のフジロックにいったかいがあるというものだ。「Californication」でライブは最高潮を迎えたが、そのあとの「By The Way」に度肝をぬかれた。これだけ名曲を披露していて、まだこんな隠し玉があったか!そこで本編は終了し、アンソニーは " See You Next Time!"といってその場を去る。しかし拍手はとまらない、アンコールの手拍子がこだまする。そして出てきた彼らが次に出してきたのは「Give It Away」!この曲で会場は何度目かの最高潮に達し、俺も体が勝手に動いてしまって、踊り続ける!気付けば周りもみんな踊っていて、サビではみんなでギビラウェイの熱唱だ。楽曲が終わってもフリーとジョンは残って2人でセッションを続ける。このまま時がとまればいいのに・・・と誰もが思ったことだろう、しかし終わりはやってくる。メンバーはみな満足げに去っていき、会場の拍手も果てることなく鳴り続けていた。終わってみれば「Under The Bridge」も「Otherside」も「Around The World」さえもやらなかったが、不満など一つもない、本当に素晴らしいライブだった。

 ライブが終わり、スピーカーからはスライ&ザ・ファミリーストーンの「If You Want Me To Stay」が流れる中、さいやんと合流。ふたりで感動を分かち合いながら帰りのバスへ向かう。初めてのフジロック、楽しいこともあれば、雨や寝不足でつらいこともあった。しかし、最後がレッチリで本当に良かった、今では良いことしか思い出せない。アーティストの熱、山の空気、風景。会場に集まった音楽好きの仲間達。その全てがひとつの絵となって、俺の心にしっかりと刻まれている。おそらく、これからフジロックに来ることはよっぽどのことがない限りないだろう。費用や労力など、犠牲が大きすぎる。しかし、大学二年生で失うものがないこのときに、フジロックに来ることができてよかった!

Thank You, and Good Bye Fuji Rock!!!!

photo by ORG-maki, ORG-naoaki, ORG-yusuke, ORG-izumikua, ORG-keco
text by Kaya

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