コラボビールが話題。フジロック4年目のオフィシャルサポーター「BREWDOG」インタビュー
- 2025/07/24 ● INTERVIEW
フジロックのアルコールドリンクにおける新しい風「BREWDOG」。会場では、入場ゲートに向かう道のイエロークリフエリアでおしゃれな販売車と、奥地のオレンジエリアのテントでお出迎えをしてくれます。フジロックに協賛をはじめたきっかけや、今年発売されたコラボレーションビール「FUJI ROCK LAGER」についてなどを、ブリュードッグ・カンパニー・ジャパン マーケティング担当の岡田卓也さんにうかがいました。
──BREWDOGを初めて飲んだとき、おいしくて驚きました。いつごろ日本に上陸したのでしょうか?
岡田さん:BREWDOGは2007年にイギリスのスコットランドで創業したブルワリーです。大手のラガービールが大量生産される中、クラフトビールを広げたいという思いで創業者2名と犬1匹が立ち上げたブルワリーです。当時はまだクラフトビールという言葉は浸透していませんでしたが、当時のBREWDOGをきっかけにクラフトビールを知ったという人が今の40〜50代に多いようです。

東京・六本木「BrewDog Roppongi」
岡田さん:東京・六本木にある旗艦店「BrewDog Roppongi」は2014年にオープンしていますが、本格的に日本でマーケティングが始まったのは、ブリュードッグ・カンパニー・ジャパンが立ち上がった2021年。フジロックはその翌年、2022年から参加しています。
BREWDOGは、「PUNK IPA」という代表商品の名前にあるとおり、パンク──“常識に逆らう”みたいな精神を大事にしているブランドです。そんなアティチュードが出るのは、音楽やファッションだと思うんです。ビールだけではなく、パンクに親和性のあるコンテンツにも踏み込んで、多くの人に知ってもらいたいと思っています。
──「BREWDOG」の創業者ジェームズ・ワット氏も、レディオヘッドが好きだと公言しているようですね。チームには音楽好きの方も多いのではないでしょうか。
岡田さん:音楽フェスを楽しんだり、過去に音楽まわりの仕事に関わっていたメンバーもいます。
フジロックは、音楽フェスであるのはもちろんですが、日常から離れている存在じゃないですか。都会と真逆で、大自然の中で音楽を聴いて。うちのビールのコンセプトにぴったりだと思うんです。
──BREWDOGのビールの特徴についてもうかがいたいです。

photo by BREWDOG
岡田さん:BREWDOGは「IPA」と呼ばれるタイプのビールを出しています。日本人が飲み慣れている「ラガー」は、喉越しを楽しむビールなのに対して、IPAは香りを楽しむビールだと思います。ビールの持つイメージと真逆というか、方向性が違うのでそれに驚かれる方が多いです。
人気No.1商品の「PUNK IPA」は、グレープフルーツ、パイナップルなどトロピカルなフルーツの風味と、あとに残るシャープな苦みが特徴。苦みを抑えたスムースな飲み口の「HAZY JANE」、グレープフルーツの香り高い「ELVIS JUICE」が、定番のラインナップです。
──ハイネケンは「ラガー」タイプ、BREWDOGは「IPA」。会場のビールはそれぞれ違いがあって楽しめますね。
岡田さん:そうなんです。タイプが違うので、飲み比べてみてください。
──今年は、BREWDOG×FUJI ROCK FESTIVALのコラボレーションビール「FUJI ROCK LAGER」を発売しましたね。コラボのきっかけについて教えて下さい。
岡田さん:これまで出店する中で、アーティストとのコラボレーションやスタンプラリー企画などを行ってきました。なにか新しいチャレンジをしたいと思ったとき、フジロックのビールを作るのが一番だなと思いました。フジロッカーのみなさんにBREWDOGの存在をわかってもらえるし、うちのファンの方にも喜んでもらえるものだなと。
フジロックって、クラフトビールと同じで“はじめてはハードルが高い”と感じる人もいると思います。フジロックにいかなくても、お店にフジロックのビールが並んでいたら身近に感じてもらえるんじゃないかと思いました。
──なるほど。Teenage Brewingさんとタッグを組んだのには理由がありますか?

Teenage Brewingとのビールの一部は六本木の店頭でも購入可能
岡田さん:Teenage Brewing代表の森大地さんは、ミュージシャンとして活動しながらライブハウスの経営も行っていますよね。彼がクラフトビールの道を志したきっかけが、「PUNK IPA」だったそうなんです。Teenage Brewingは、「音楽はビールだ」というコンセプトを掲げていますし、親和性の高さを感じました。今回のビールが出るまでにも、2度タッグを組ませていただいていますが、第3弾としてフェス専用のビールができました。
しかも今年は、森さんがサポートをしているDownyが出演しますよね。ビールも作って、初出演も果たすんです。
──森さん、間違いなく今年のフジロックの顔ですね。
岡田さん:大活躍ですよ。このコラボビールは、大自然の中で爽やかに飲み続けられるビールにしたくて、「IPA」ばかりだったうちのラインナップの初の「ラガー」タイプにしてみようとなりました。
でも、BREWDOGらしく香りも楽しんでもらいたい。そこで、「ダブルドライホップ」と呼ばれる香り付けの工程を2回行うことにしました。ホップの品種もなかなか手に入りづらいものを使うくらいこだわっています。
──(試飲してみて)おいしいです。さらりと飲みやすく、柑橘系の香りがフジロックで感じる爽やかな風を思い出します。このビールに合わせるならば、どんなフードがおいしいですかね?
岡田さん:「唐揚げにレモン」みたいに、がっつり系のお肉料理を合わせるといいんじゃないかと思います。「FUJI ROCK LAGER」も「PUNK IPA」も爽やかな香りが特徴のビールなので、ジューシーなガッツリ肉料理や、カレーのようなスパイスの効いた料理にもおすすめです。フェスごはんにはぴったりではないでしょうか。
──ラガーやIPAとの飲み比べ、フードとのペアリングなどいろいろ楽しめそうです。

オフィシャルイベントのフードには、おなじみ「もち豚丼」「きりざいめし」が登場した。
photo by BREWDOG
岡田さん:昨年通り、看板商品の3種類も会場で楽しめますので、飲み比べてみてください。
──スタッフの皆さんにとっても楽しい4日間になると思います。

photo by BREWDOG
岡田さん:私は昨年、初めてフジロックに行ったんですが……もう大自然と音に圧倒されました。深呼吸していて気持ちいいし、暑いし寒いし、雨は降るし。過酷といえば過酷ですが、それを自分だけが体験しているんじゃなくて、みんなも同じ気持ちでいるので勝手に仲間意識を覚えました。
子どもを一緒に連れていったんですが、キッズエリアもあるし、川もあるし、大人だけのフェスじゃない、子どもも楽しめる工夫がされていて。めちゃくちゃ楽しそうにしていて、私も嬉しかったです。
音楽、大自然、仲間、ビール、すべてが揃うのがフジロックだと思うので、今年も思いっきり自由に楽しんで、思い出の1ページにBREWDOGのビールがあったら嬉しいです。飲んだ瞬間にちょっとだけ世界が変わるような1杯を用意して、ブースでお待ちしています。
Photo by 白井絢香
Interview & Text by 梶原綾乃