【FRF’25 ARTIST PICKUP vol.4】ミュージックビデオだけじゃない!OK GOのライヴの魅力
- 2025/07/14 ● COLUMN
アメリカ・シカゴ出身のインディーロックバンドであるOK GOを語るとき、どうしても「楽しいミュージックビデオでお馴染みの……」ということから始まってしまう。確かにOK GOは“I Won’t Let You Down”のように日本で撮影され冒頭にはPerfumeが登場するような作品まであるので、面白ビデオを作るバンドという評価は避けられないものだろう(しかもこのビデオのアイデアに圧倒される)。
OK GOがフジロックに出演するにあたってビデオだけではない、ライヴをどう楽しんでいこうか、というのが今回の趣旨である。
まずは前回フジロックの出演を振り返ってみよう。2014年レッドマーキーのレポートはこちら▼
大量の紙吹雪が舞い、フロアにいる人たちに合唱を促して楽しいステージを作ろうとする懸命な姿が目に浮かぶ。自分も2015年の来日公演にいったけど、そのときも紙吹雪が舞い、ダミアン・クーラッシュ(Vo/Gt)がフロアに降りて演奏したような記憶がある。
サブスクリプションで聴けるOK GOのライヴアルバムは『180/365』という2011年発表のものがある。これは全米各地でおこなわれたライヴから選曲されてつなぎ合わせたものではあるけど、あたかも一晩のステージのように違和感なく聴ける。どのライヴでも歓声もすごくて女性の方が多いのではないかと感じる。ここで聴けるのは演奏は確かだし曲もよいし何よりも楽しいことが伝わってくるのだ。彼らの魅力はミュージックビデオだけでない、ちゃんとしたポップ成分多めのインディーロックなのだ、ということがわかる。
比較的最近のライヴ映像を観ると、新しいアルバム『And the Adjacent Possible』からの曲が多い。過去の曲でも定番の楽器以外の楽器を使った演奏があるので、フジロックにそれを持ってきてくれるのか、そして90年代UKギターロックに思い入れある人なら感涙必至の曲のカヴァーをフジでもやるのか、さまざまな楽しみを抱きながら、1日目のホワイトステージ19時40分から始まるOK GOのステージを待とう。
text by イケダノブユキ