カレー屋がフェスティヴァルを主催?
Posted on March 8, 2008
Filed Under 国内のフェスいろいろ |
先日の「続々と発表されるフェスティヴァル情報国内編」の記事を受け、今回もオルグスタッフお勧めのフェステヴァルを紹介します。福岡のサン・セット・ライブに続く第2回目は、昨年9/1?9/2で開催された、札幌の「マジカルキャンプ2007」です。
このフェスティヴァルの主催は、マジックスパイス(通称:マジ・スパ)というスープカレー屋さん。東京や大阪などにもお店がある人気店なので、名前をご存知の方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら何故カレー屋がフェスティバルを? しかもチャリティーで? その因果関係は、どうやらスパイスにあったらしいのです。
もともとマジ・スパでは、毎年、スパイスの仕入れに行く度に、お店で開くイベントの売上金やお客様から募金を、アジア各国の孤児院やスラム街の学校などに寄付を続けてきたそうです。世界中には、満足な食事、平等な教育を受けることのできない環境の子どもが大勢いて、今こうしている間も助けを必要としているのが現状。一人の力は微々たるものでも、大勢をもってすれば、もっともっと出来ることが増えるんじゃないか?! そういった経緯があり、このチャリティーイベントの開催へ至ったというわけです。
本題に入りますが、このフェスティバルが行われたのは、9月初旬。北海道で言えば、夕方を過ぎると肌寒くなるものの、日中はまだ気温が高く過ごしやすい、そんな季節でした。ましてや会場は、札幌中心部から車で一時間弱の所にある山の上。昼は日光浴を楽しみ、夜は鈴虫の音色をBGMに札幌の夜景を一望できるという、最高シチュエーションです。さらにオールナイトで音楽も楽しめ、お腹が減ったら人気店のスープカレーを堪能できるのですから、まったり楽しむのも、ノリノリで朝まで遊びまくるのもアナタ次第という、ある意味とても贅沢なフェスティバルでした。(ちなみに、この会場の本来の姿は、テイネハイランドという札幌オリンピックで使われた由緒正しいスキー場なのです)
私は迷わずまったり楽しむことに決定。ゆっくりと流れる雲を眺め、ビールを飲んでは「あぁ気持ちがいい!」と独り言を言い、カレーを食べては「スパイスが体に染み込むねぇ」としみじみ感じていました。フジロックの時は、まったり過ごしたくても、面白そうなライブや催しの誘惑も多いですから、なかなかこうもいきません。まぁ、もっともorgスタッフの場合、朝から晩まで取材なので、雲を眺めている時間もありませんが……。
ステージは、スキー場ロッジ前のスペースにメインのものが一つと、ロッジ内の食事スペースにDJブースが一つのみ。どちらも、間近に音を感じられとても良かったのですが、この日、ステージと音楽とシチュエーションが一番マッチしたのが、フジロックにも出演したことのある「ダブ・アイヌ・バンド」の深夜のライブでした。(フジロックでのレポートはこちら)ダブのリズムに、トンコリというアイヌ民族の伝統的な弦楽器の音色と、アイヌ語の歌を乗せていくのです。すっかりスパイスが染み込んだ私の胃袋の奥底を、ドーンという低いリズムが響き、ゆらゆら漂うトンコリの音色は、山の澄みきった空気にも札幌の夜景にもマッチしていて、本当に気持ち良く感じました。
マジカルキャンプのオフィシャルサイトを見ると、まだ詳細は書かれていないものの、どうやら今年も開催する方向で動いていることは伺えます。「今年は地方の穴場フェスティバルにも参加したい」と思っている人、マジカル・キャンプはお勧めです。まだあまり知られていない、穴場中の穴場フェスですよ! または、フジロックの早割りチケットを入手できた人は、浮いたお金で小旅行を兼ねて遊びに行くのもいいかもしれません。去年は東京からのツアーもありました。北海道の秋の味覚に舌鼓を打ち、フェスも楽しむ。もちろんスープカレーもね。そして、この楽しい一歩は、恵まれない子どもたちにとっても大切な一歩になることを付け加えておきます。
★そのほか、smashing magでのライブレポート、フォトレポートはこちら。
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