Wowの連続だったPOWの情報更新。
Posted on August 10, 2008
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photo by q-ta
基本的なコンセプトは会場から宿屋などへ向かう人たちが立ち寄る場所… と、そんな考え方でここが生まれているんだろうけど、実をいえば、会場ゲートの外にあるのがパレス・オヴ・ワンダー、通称(略称)POW。ということもあって、昼間は猿ヶ京や水上あたりの温泉でのんびり過ごして、深夜から朝にかけてここにやってくる人がかなりいたとか。それも頷けなくもない。なにせ、フジロックを強烈に印象づける魅力の場所のひとつがここなのだ。
ここを演出するのはイギリスの前衛アート集団、ミュートイド・ウェイスト・カンパニー率いる ジョー・ラッシュ。日本でも群を抜いて有名なイギリスのフェスティヴァル、グラストンバリーにとって大きな魅力のひとつとなっているエリア、まるでSF映画の真っ只中に放り込まれたようなトラッシュ・シティの中心人物で、彼とスタッフが数々の「廃棄物彫刻」と彼ら演じるキャラクターでパレス・オヴ・ワンダーを訪ねる人々を異次元の世界に誘い込んでいるのだ。加えて、毎年、ここで繰り広げられる趣向を凝らしたパフォーマンスも、他ではちょっと体験できないものばかり。今年はオーストラリアからやってきたという、ローズ・オヴ・ライトニング(雷神)にぶっ飛ばされた人も多かったのではないかと思う。
さらには、信じられないようなラインナップが姿を見せた、小さくともレトロで 魅力満点のクリスタル・パレスもこのエリアの語るには欠かせない存在で、未来の才能を楽しめるルーキー・ア・ゴーゴーがそろったこここそがフジロックの魅力を凝縮していると語る人 も少なくはないのだ。
というので、今回はこのあたりのアーティスト情報の更新なんですが、まずはクリスタル・パレスに登場したDJ陣。金曜日がSim Cass、市原“icchie”大資、ClubSkaやロンナイで有名なDr. Iharaにプライマル・スクリームのManiあたりで、土曜日はヨウスケ・トミナガ(チャンプ)&オイボン(チャンプ)、Cumbia Kid、Hackney Globetrotter、そして、最終日はTRAMP! DJs、Pinchi、Tomi The Jazzy Monk (Repoll:FX)となっていて、その際周囲に華麗でセクシー・ダイナマイトなダンスを披露してくれたのがSamanyolu with JVC Force TYOでした。それぞれ今回の写真を使用して情報更新をしています。
一方、そういったDJ達の音楽に紹介されるようにステージに登場して伝説を生み出してくれたのが既出のSeasick Steveですが、この9月には”I Started Out With Nothin’ & I”(UK import / UK import - ‘12 analog)というアルバムを発表。というので、アルバム・データ部分を修正。10月には殿堂とも呼べるロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでのライヴがあるんですが、ほぼソールドアウトになっているというニュースが入っています。加えて、fujirockers.orgの姉妹サイト、Smashing Magでは、今年のグラストンバリー・フェスティヴァルのメイン・ステージ、ピラミッドで演奏したSeasick Steveのレポートもアップされています。日本ではほとんど無名だったこの「船酔い」スティーヴ、体験されました?
今年のパレス・オヴ・ワンダー、クリスタル・パレスにはスマッシュUKから、無理とも思えるリクエストが多かったというんですが、そのひとつがTrave-Wrappin’。UKスタッフから驚異的な評価を獲得しているエゴ・ラッピンの顔、中納良恵をなんとか「この場所で見たい」というところから生まれたワン・アンド・オンリーのプロジェクトがTrave-Wrappin’だったといいます。そんな意味で言えば、これを見られた人は幸せ者だと思いますよ。その他、金曜日は、かつてジョニー・サンダースのドラマーとして初めて日本の土を踏んだドラマー、クリス・ムストの顔も見えるザ・フライング・パドヴァニーズについても、フェスティヴァルでの写真を使用して情報を更新しています。
土曜日はというと、まずはエキスプレスの英語版でミーターズ+ホーンじゃないかとまで言われて評価されたMountain Mocha Kilimanjaro、そして、残念ながら、キャンセルとなったRodrigo Y Gabriellaの代打として見事なパフォーマンスを見せてくれたビッグ・ウィリーズ・バーレスクに、圧倒的なライヴでフジロックの伝説となってしまったゴーゴル・ボデーロの情報更新をしているんですが、これには裏話がいっぱい出てきました。あの日、ライヴが始まる前、ゴーゴル・ボデーロのスタッフが一言。「こんな小さな場所で連中にライヴをやらせるなんて…あんたら、正気の沙汰とは思えないよ」といっているんですが、それを受けて、彼らをここにブッキングしたUKスタッフのひとりが、「その通りさぁ、俺たち、まともじゃないから(笑)」なんて応えていたのが笑えます。一方で、バックの女性ヴォーカル、ダンサーの中国人の人と話をしたときには、「もう、でっかい会場ばかりで… こんな場所で演奏できるなんて、ワクワクしているわよ。私たち、こういった場所こそがホームなのよ」とうきうきしてました。しかも、よくも死人が出なかったものだと思えるほどのすし詰め状態だったのがあのライヴ。さらに、とんでもないがたいのファンがダイヴしてきたり、オーディエンスがバンドと一緒に歌を歌い出したり、予想外のアンコールが飛び出してきたり… 演奏が終わって、バンドのメンバーも口にしていたらしいんだけど、これまでで最高のライヴだったとか。97年からフジロックに関わっている連中も、フジロック史上最高のライヴだたったと言ってました。
最終日はビッグ・ウィリーズ・バーレスクが再び演奏をしてくれて、これも、UKスタッフたっての希望で実現したSheena & The Rokketsのライヴがとんでもなく好評だったとか。バンドとオーディエンスが目と鼻の先でぶつかる熱気むんむんのこんな場所でのライヴに双方がアドレナリンを爆発させたのではないかと思いますが、そのときの写真も更新されたアーティスト情報に使用しています。
さらに、新人… というよりは、これから期待大のバンドが続続を姿を見せたルーキー・ア・ゴー・ゴーのアーティスト情報も更新です。金曜日の1発目は、すでに巷で話題になっているムーディ・オン・ザ・昨晩で、他にはimamon、AFRICAEMO、Submarine、テングインベーダーズが出演。土曜日は乍東十四雄(サトウトシオ)、カルマセーキ、うつぼ、Charlie Brown&Baseball Team、そして、すでに伝説となったゴーゴル・ボデーロとかぶりながらも大健闘したと伝えられているOLEDICKFOGGY、最終日はMother、24-twofour-、でぶコーネリアス、太平洋不知火楽団、YOLZ IN THE SKYとなっています。
若いミュージシャンをサポートするために、ジョー・ストラマー亡き後に設立された基金、Strummerville(ストラマーヴィル)からは、ここに出演したバンドへの若干のサポート資金が与えられているとのこと。また、ルーキー・ア・ゴーゴーに出演したバンドを集めたフジロック後夜祭、ROOKIE A GO-GO AFTER PARTYが8月21日リキッドルーム恵比寿にて18時から開催されます。詳しくはこちらで確認してくださいませ。
posted by hanasan