「おかえり、ただいま!」 初回開催でも、親しみのある言葉が交わった。そんな、新しくも懐かしい、Fujirockers Restaurant Vol.1 2022/6/12 @ Queen Sheba
- 2022/07/15 ● from fujirockers.org, Report
雨予報とは裏腹に、晴れ間も見えて少し蒸し暑くなった梅雨の日曜日のお昼どき、中目黒のエチオピア料理レストラン「クィーンシーバ」に、SNSや口コミで、楽しげでおいしそうなにおいを嗅ぎつけた24名が集まってきました。
この日初の開催となった「Fujirockers Restaurant」は、東京・大阪を中心に、全国各地でフジロックを愛する面々が集うパーティー「Fujirockers Bar」から派生したイベント。バーがお酒と音楽中心なら、レストランでは食事と会話を楽しもう、と企画されました。
気がつけば6月も中旬、梅雨を乗り切れば7月はいよいよフジロック!待ち切れない!と、はやる気持ちを抑えている方も多いことでしょう。私もです。
そんなフジロッカーたちの思いに寄り添い、フジ気分をフライングして楽しもう!と、以前はフジロック会場でもおなじみだったクィーンシーバが会場となったそうです。
クィーンシーバって?
日本ではめずらしいエチオピア料理専門店。オーナーのソロモンさんが、スマッシュの日高大将と親しいこともあり、1997年天神山のフジロック初回からワールドワイドな料理を楽しめるフードエリア「ワールドレストラン」の出店管理を担当されていました。
最近は出店はされていませんが、雨で冷えた体に染み渡るロッカーズプレートなどのおいしくて元気の出る料理に救われた、というファンの声も多く残るレジェンド的なお店です。
そんなクィーンシーバに、フジロックを待ちきれないという方だけでなく、未経験だけど興味があるという未来のフジロッカーや、パーティー気分に誘われてやってきた「フジロックってどこでやってるの?」という方までさまざまな面々が集まることになりました。
いよいよ乾杯!お待ちかねの本日のメニューは?
Fujirockers BarのDJメンバーである主催者のチエさんとタカシさんの挨拶で幕開け。開催のきっかけは、「コロナ禍で人とごはんを食べる機会が減ってしまったので、みんなで食事しながらフジロックの話をしたいなっていう気持ちが強くなって。みんなで来ればいろんなものが少しずつ食べれますしね!」と、笑顔で話してくれました。お腹も空いてきたところで乾杯!すでにそこかしこで、はじめましての挨拶と同時にフジロック談義が盛り上がっています。
今回だけのスペシャルプレート登場!
手作りのネームプレートを見てほっこりしながら一皿めのサラダを食べていると、スパイシーで食欲をそそる香りを撒き散らしながらメインディッシュがおでましです。
メニュー(左奥から):ダボ、インジェラ、ワット、ケバブ(山羊、鷄)、サモサ(三角の揚げ物)、ポテト、デザート
打ち合わせを重ねて考案してくれたというワンプレートは、イベントならではの、いいとこどりなスペシャルプレートです。春巻き?のようなインジェラを見て「これは何?どうやって食べるの?」と話に花が咲き、ソロモンさんの解説に耳を傾けます。
「インジェラ」とは?
写真右奥のロール状のもの。「テフ」という穀物を水で溶いて発酵させ、クレープのように薄く焼き上げて食べるエチオピアの伝統料理です。テフには鉄分が多く含まれており、栄養価も高いそうですよ。
インジェラやダボ(スパイスの効いたパン)にワット(シチューのようなもの)を付けて食べます。私も初めていただきましたが、少し酸味のあるインジェラやダボに、ラム肉と豆のワットを付けて食べると、酸味も程よく混ざっておいしかったです。
お腹が満たされるだけじゃない。”Queen Stage”登場で盛り上がる。
この日はFujirockers Restaurant特別編の〝Queen Stage〟が店内のモニターに登場。みなさんにアンケートで聞いた「フジロックで印象に残ったライブ」の映像集が流されます。「このステージはすごかった!」と懐かしむ声があがったり、初年度の天神山の映像を見て驚愕したりと、とても見応えのある内容でした!
人生いろいろ…フジもいろいろ…参加した方々の思いをちょっとご紹介
・フジロッカーズオルグスタッフの家族
「オルグに参加している息子から、ずっとおいでと誘われていて。60代にして初めて夫婦で参加したらハマって、それから毎年参加しています。」
三浦さんのお話しは、こちらからも。
・卒フジしたけれど…
「フジロックが始まった頃から参加していたけれど、宿の予約が取りづらくなった頃から遠のいてしまいました。今回は、クィーンシーバが自宅から近いので参加してみました。」
楽しい思い出が蘇っているような姿にこちらも嬉しくなりました。
・フジロック未経験です
「フジロックには行ったことがないけれど、誘われて来ました。みなさんの話を聞いて、1日だけでも行ってみようかな、と思いはじめてます。」
積極的に情報収集されていました。ぜひ苗場で!
・実はフジロッカーズオルグに興味あり!
「フジロックが好きで参加しました。自分もこういう楽しい場を作るお手伝いが出来たらいいな、と思いました。」
取材で参加していたわれわれフジロッカーズ・オルグの活動に興味を持ってくれた方も。
あのレジェンドの秘話も
終盤に差し掛かり、すっかりリラックスムードの中ソロモンさんのお話しもはずみます。
フェスでの飲食店出店の苦労や裏話と共に、あの忌野清志郎さんのエピソードも。日高大将にお店に連れられてきた1週間後にまた自身で訪れて、それから常連だったという清志郎さんの話には大盛り上がり。即興でお店のオリジナルソングも作ってくれたこともあるそうです。聞いてみたかった!
「おかえり!」「ただいま!」の掛け声で大団円
宴もたけなわになり、最後は集合写真撮影です。フジロッカーズ・オルグの花房浩一が前夜祭でお客さんと掛けあう「おかえり!」「ただいま!」のコールアンドレスポンスを合図にパチリ。レッドマーキーに集まるお客さんに負けず劣らずのいい笑顔で終幕しました。
参加してみて…取材チームより
現地でのエピソード、好きな音楽やフジメシのこと、いろんな話がつきなかった会場。あまり盛り上がらなかったとき用にと、合間にみなさんに振る話を用意していたという主催者のお二人が、「必要がないほどみなさんが盛り上がっていたので、やめました。」と安堵して笑っていたことからも、この日のあたたかなムードがうかがえました。フジロックをきっかけにみなさんが集まってくれたことをとても嬉しく思います。
フジロックは一年に一度しか開催されないけれど、毎年参加する人、今年初めての人、まだ行ったことはないけれど気になっている人たちみんなが、苗場に集まるあの3日間以外の時間、全国各地でフジロックに思いを馳せていて、日々の暮らしや人生のイベントを経て、苗場に足を運んでくる。そんな私たちを「おかえり」と迎え入れてくれるフジロックは、ただ音楽が好きで集まるわけではない、それ以上のもので人を結びつけてくれる魅力があるということを、実感させてくれるイベントでした。また苗場で「ただいま」と言えることに喜びを感じ、改めてその存在に感動したひとときとなりました。そんなあたたかな時間をくれたFujirockers Restaurantは今後も不定期で開催されていきます。フジロッカーズ・オルグのSNSでも情報を発信していくので、ぜひチェックしてみてくださいね。
お知らせ
Queen Shebaからお知らせ
毎週金曜日にライブが行われています。時間は大体19時頃から。詳細はお店のサイトやSNSをご覧の上、混雑状況等はお電話にてお問い合わせください。
http://www.queensheba.info
Fujirockers Restaurantからお知らせ
今後も不定期で開催を予定しています。常に会場を探しているので、お店のご紹介や、うちの街で開催してほしい、などお気軽にメッセージください!
https://www.facebook.com/FujirockersBar
文:小亀秀子、東いずみ
写真:白井絢香、フジロッカーズ・オルグ