新潟から目指せルーキー!フジロック出演の夢を叶えよう!
- 2020/03/26 ● Interview
海外の有名アーティストから国内のインディーズバンドまで、多くのアーティストが出演するフジロック。新人アーティストが出演するROOKIE A GO-GO(以下、ルーキー)では連夜、若きアーティストがしのぎを削り、持てる限りの精一杯の演奏を繰り広げています。ルーキーは毎年全国から数千通もの応募があり、その中から15組が選出されるという狭き門ですが、新人アーティストにとっては何としても出場したい夢のステージです。
その15組の中に1枠、なんと“新潟県出演枠”という、新潟県在住者だけが応募できる企画「新潟からフジロックへ」が2017年からスタートしました。例年、新潟から50組を超えるアーティストが応募。音源選考により3組に絞られ、ボードウォーク・キャンプと同時に開催される最終選考の苗場食堂ステージ「山菜ロック」で、ルーキー出演者が決定します。
今回は、そんな山菜ロックを経験し、その年のルーキー出演枠を勝ち取った2組のバンドにインタビューを行いました。なぜこの企画に応募したのか、山菜ロックではどんな気持ちになったか、フジロックに出演してみてどうだったか、その後の変化についてお話を伺ってきました!
■今回お話を伺ったひと
fornow
2012年結成。新潟県内のライブハウスを中心に活動し、SONIC FESTIVAL’13や三条楽音祭などの音楽フェスティバルにも出演。シーケンスとマニュアルの融合。エレクトロ、R&B、ディスコ、ハウス、ソウル、ファンクなど様々なジャンルを独自に昇華し、新たなダンス・ミュージックをフロアに響き渡らせる。
E.scene
2018年7月に結成、平均年齢19歳のスリーピース・バンド。 R&B、Funk、HIP HOPなど主にブラックミュージックを中心に様々な音楽の要素を取り入れオリジナルな音楽を目指し、活動中。2019年4月には、1st single「麗しい日々 / いいじゃん」をリリース。結成わずか一年にして『FUJI ROCK FESTIVAL’19 ROOKIE A GO-GO』に出場が決定。また、恵比寿リキッドルームにて行われた『出れんの!?サマソニ!?』の最終選考ライブにも出場し、着々と実力をつけている。
憧れだったフジロック出演を目指して…
─ 山菜ロックに応募した理由から教えてください。
Kohtalo(fornow):僕は毎年フジロックに行っていて、「いつかは自分も」とずっと思っていました。いわば、フジロック出演はバンドの目標であり、人生の夢。新潟県出演枠としての企画は初めてだったのですが、これはもう応募するしかないなと。バンドで話し合って準備に取り掛かりました。
─ 対して、2019年に出場したE.sceneのときは、この企画はすでにあったわけですよね。存在は知っていましたか?
yoshinao(E.scene):もちろんです! 僕はfornowさんが出場した2017年に山菜ロックを観に行っていました。そのときに「自分もあのステージに立ちたい」という想いが強くなって。
─ そうだったのですか! みなさん、フジロックへの想いから「自分もあのステージに」と応募されたのですね。
真琴(E.scene):あ、でも私はフジロック自体よくわかっていませんでした…。フジロックに行ったこともなかったのですが、二人が出たいというから、凄いんだろうなと(笑)
─ え、そうだったんですか! でも、fornowもE.sceneも実際に応募することになり、山菜ロックに出場するわけですよね。
Mika(fornow):まず、世界的なアーティストをたくさん呼んでいるSMASH(スマッシュ)に自分たちの曲を聴いてもらえただけで嬉しかったよね。その上で、3組に選んでもらえたっていうのも普通はできない体験だから。
─ 確かにSMASHに聴いてもらえるというだけでも、夢がありますね。山菜ロック当日の演奏は納得のいくものでしたか?
Kohtalo(fornow):いや、機材トラブルで音が止まってしまって「あ、やばいな」って…。でも緊張はしましたが、フジロックのステージに立っているという事実にすごく高揚しました。
─ 機材トラブルはきついですね。それでもステージ上で発表されたのは、fornowの名前でした。この時、どんな感情でしたか?
Ryuta(fornow):嬉しいよりもびっくりという感情のほうが大きかったですね。しばらく信じられなくて。実感したのは、帰りの車の中です。車内で誰も喋らずに無音になったときにようやく「あ、フジロックに出るんだ」と思えました。
Mika(fornow):私は山菜ロックの夜にあった私たちが出演するイベントでみんなに「おめでとう!」と言われたとき。それまでは「え、本当に自分たちが?」とずっと夢見心地でした。
─ ずっと憧れだったフジロックに出るわけですもんね。E.sceneは山菜ロックのステージに立って、どうでした?
CHIPPII(E.scene):応募してから山菜ロックまで東京でライブする機会があったりと経験を重ねてきたので自信を持って当日を迎えることができました。
Kohtalo(fornow):いや、俺も当日聴いていたんですが、いつもライブハウスで聴くE.sceneの音とは全然違って、すごく良くなっていたんですよ!
CHIPPII(E.scene):ありがとうございます! 自分たちの曲に自信はあったけど、いざ山菜ロックに出るとなったら、もっと突き詰めたくて。練習もしたし、それまでに出たライブも良い経験になりました。
─ 発表されたときは、どうでした?
yoshinao(E.scene):やっぱりびっくりしましたね。山菜ロック後にみんなでいつもお世話になっているEDITORS CAFE(エディターズ・カフェ)に行ったんです。そのときに色々な人から「おめでとう」と言われてようやく実感しました。フジロックに向けて成長していこうという気持ちにバンドが一緒になれたと思います。
憧れが現実になったフジロック出演
─ そして、人生の夢だったフジロックへの出演の日になるわけですね。
Kohtalo(fornow):もう、最高しかないですよね。緊張と楽しい気持ちが半々で、ちょうどよい緊張感で演奏できました。フジロックに出たことがある人生で良かったなと思いますね。
Ryuta(fornow):お客さんが自分たちの音楽で踊ってくれているのが、本当に嬉しかったですね。新潟のバンドマンもたくさん来てくれたし。
─ E.sceneはどうでした?
真琴(E.scene):私はずっと震えるほど緊張していました。でも今まで経験のおかげで良いステージになりました。
yoshinao(E.scene):僕もいつも以上のステージになったと思います。ただ、1曲目を演奏しているときに「あぁ、フジロックのステージに立っているんだ」とうるうるしてしまいました。
CHIPPII(E.scene):僕はあまり緊張はしなかったですね。フジロックのステージに立っていることに興奮して、楽しんでいました。
─ 緊張しなかったんですか! すごいですね。フジロックの出演後、変化はありましたか?
CHIPPII(E.scene):今まで行ったことのない場所からもフジロックの映像を観て、ブッキングの声をかけてもらえるようになりました。音源が1つしかないので、その代わりの役目を果たしてくれるようになったんだと思います。
Mika(fornow):私たちもフジロックの映像を観て、東京とか新潟以外のライブに呼んで貰えるようになったよね。フジロックが終わってから「ツアーとかやれば良かったんじゃない?」とかは言われたけど。
Kohtalo(fornow):正直、僕はフジロックに出ること、そしてメンバーと音楽を続けていくことが目標でした。フジロックでの演奏はそのときの最高到達点だったし、寝る間惜しんで各地でツアーをするのはリアルじゃないなと。山菜ロックで選ばれてフジロックで演奏して、「自分たちってカッコいい音楽をやってきたんだな」と自信を持てるようになったことが、自分にとってもバンドにとっても一番良かったですね。
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両バンドとも、フジロックをきっかけに活動の幅を広げたと同時に、メンバー間で結束力があがったのですね。世界的なアーティストが多数出演するフジロックで演奏することは、多くのアーティストにとって憧れの場所。
新潟県在住のあなたも、もちろん他の地域に住むあなたも、その夢を叶えてみませんか?今年もROOKIE A GO-GO企画が発表されました。応募は4月21日(火曜)まで!詳細はこちらからチェックしてください。
fornow、E.sceneに続くアーティストよ、いざ新潟からフジロックへ!
・2017年の山菜ロック速報レポート
・2017年のフジロック、fornowライブレポート
・2019年の山菜ロック速報レポート
・2019年のフジロック、E.sceneライブレポート
取材、文:長谷川円香
インタビュー写真:アリモトシンヤ
協力:Rocks