リディムサウンター・インタビュー 「『DAYS LEAD』はホワイトステージをイメージして作ったアルバムだった」

11月 23rd, 2010

リディムサウンター・インタビュー 「『DAYS LEAD』はホワイトステージをイメージして作ったアルバムだった」

 2010年フジロック、3日目のホワイトステージ。そうそうたる面子が顔を揃える中、ひと際キラッとした輝きを放つバンドがいた。今年2度目のフジ出場となったリディムサウンターだ。ストリングスを交えた高揚感あるメロディに、観客エリアにまでどんどん突っ込んでくる破天荒なステージング。いい音と楽しいことに敏感なお客さんが、彼らの音楽に引き寄せられるように次々とステージに向かって走ってくる様は壮観な光景だった。そして、同日夜には苗場食堂にも登場。アコースティックといいつつも、大雨の中集まった溢れ返るほどの人を揺さぶる爆発力を発揮し、堂々と今年のトリを務めてみせた。この2本のライヴが素晴らしかったのはもちろんのこと、印象に残ったのはメンバーが揃って「フジロックに出られてうれしい!」という気持ちを全身で表現していたこと。これはフジロッカーの匂いがプンプンするではないか! こんなバンドをfujirockers.orgが放っておく手はない。2008年のレッドマーキー、木道亭の出演から2年。様々なフェスへの出演や海外でのライヴを経てひと回りもふた回りも大きくなってフジに帰ってきた5人に、フジロックへの思いから普段のライヴについてまで話を聞いた。

ホワイトステージレポート
苗場食堂レポート

ー今思い出しても、今年のフジロックでのライヴは昼間のホワイト、最後を飾った苗場食堂とも感動的でした。振り返ってみていかがですか。

田中啓史(ヴォーカル。以下KC):2008年はレッドマーキーだったから、野外のステージは初めてで。前回とは違う感じにしたいな、とは思ってました。ホワイトではストリングスを入れてやろうというのは早い段階で決めていたので、そこは上手く見せられたんじゃないかと思います。

古川太一(ドラムス。以下TA-1):サード・アルバム『DAYS LEAD』は構想時点からもう、最終的にフジロックのホワイトステージでやりたい曲を作っていたんです。あの風景を思い浮かべながらアルバムを作っていました。ストリングスで始まって…というライヴをフジのステージでできたらいいな?というのは最初からあったから、サード・アルバムのシメをホワイトで出来てホントに良かったです。

ーホワイトっていう、もうステージまで指定のイメージだったんですね。

TA-1:ホワイトは結構思い出深くて。いいライヴを良く観てたし、雰囲気も好きだし、最初にローディーで行ったのもホワイトだったから。

ー最初にフジロックに行ったのはいつですか?

TA-1:2001年かな。デートコースペンタゴンロイヤルガーデンが最初に出た年。そこからほとんど毎年行ってます。

ーかなりのフジロッカーじゃないですか!

KC:ベースのハマは結構前からお客さんで行ってるんですよ。

浜田将充(ベース。以下ハマ):2003年からキャンプで参加してます。最初の年から映像で観ていて、東京出たら絶対行こう!と思ってました。好きなアーティストがいっぱい出ているし、あの広い会場でいったい何が起こってるんだろう?ってすごく興味があった。でも、最初の年は前夜祭からずっと雨でひどい目にあって。そこから毎年、もっと準備していこう、来年はもっと……てつながって。今ではもう最強のテントですよ(笑)。雨も降る前から分かるし。「あ、もうすぐくるな」って、もう苗場の天気が読めます!

riddim_2ーお客さんとして参加していたフジロック。そこに自分が出てみてどうでした?

ハマ:僕は2006年にリディムサウンターに入ったんですけど、その翌々年にはフジロックに出られて。ホント、このバンドに入って良かったです。苗プリにも泊まれるし(笑)。キャンプからそこまで行くのが早かったですね。
 ライヴは、もともとお客さんだったから、ホワイトステージの人が集まってくる感じとか、どういう風に見られるのかっていうのがなんとなく想像ができてた。でもやってみたら想像超えてましたね。気持ちいいですよ、やっぱり。

ーホワイトに出られてすっごくうれしい!というのが伝わってきてました。

ハマ:ホワイトでみたMOGWAIが自分の中で一番良かったライヴなので、そこに自分が立ってるっていうのが……最初のストリングスが流れてる時はもう、上の空というか。景色をずっと見てました。

ーヒロシさんのフジの印象はどうですか?

佐藤寛(ギター。以下ヒロシ):初めて行った時は、会場に入った瞬間「日本じゃねえ、違う国みたいだ」って。山の中だし、いろんなテントがあったり。もう体験したことない世界で、空間だったから、おやおやこれはヤバいな、出てえ……と思って。そしたらレッドマーキーに出られて。その時に次はホワイトに出たい!と思ったから、今年出られてうれしかったですね。

KC:ホワイトでは叫んでたよね。めずらしく。

ヒロシ:すごく開放的だったんで叫んでみたんだけど……。あまり大きい声出し慣れてないんでヘンな感じでした(笑)

本間寛人(トランペット、フルート。以下アニキ):僕は実はあまり覚えていないんです。振り返っても一瞬のできごとだった気がして。お客さんがいっぱいいたなーくらいしか。

TA-1:ステージ上から見るとあんまり変わらなかったりするしね。フジでも普段のライヴでも。

アニキ:大きな違いはないっちゃない。でも、ホワイトステージでやる責任、ちゃんとやらないとだめだぞーという気持ちはありました。

ー苗場食堂はいかがでしたか?

KC:ホワイトはわりとガッツリ、きっちりやったので苗場食堂の方はゆるく……じゃないですけど、もうちょっと好き勝手やらせてもらいました。

ハマ:苗場食堂は酒飲みながらワイワイ観るイメージがあって、お祭りみたいな感じでやらせてもらいました。特に僕らは最後の最後のステージ(最終日の苗場食堂のラスト、ゲート内ではその年の最後のライヴとなる)だったから、絶対人が集まって観てもらえると思ってた。

KC:ちょうど土砂降りだったのが逆に良かったね。思い出に残ってます。みんなが一緒にぐちゃぐちゃになってライヴを作ってくれたのがうれしかった。

ーあれは一応アコースティック・ライヴ……だったんですか?

KC:そうですね。でも僕らはアコースティックといってもおとなしくやるイメージではないので(笑)。立ってやるとああなっちゃいますね。2008年の木道亭では座ってやったから、あれとはまた違ったものがみせられたんじゃないかな。アコースティックのライヴも2003年くらいからやっているんですけど、2007年の11月に『
DOUSE YOURS FROM ACOUSTIC RECOLLECTION
』というアルバムを出して、そこからいろんな場所でライヴもやらせてもらえるようになって。その一環として木道亭と苗場食堂、2つのフジのステージにあがれたのは良かったです。ああやって違う形で出させてもらえると、僕らの両方の面が見せられるのですごくありがたいです。

riddim_3ータイチさんはDJもやったんですよね。

TA-1:2日間やらせてもらったんですけど(2日目のクリスタル・パレステントと3日目の岩盤)、両方ぜんぜん違う雰囲気でした。1日目のクリスタル・パレスはピースフルな感じでしたね?。僕みたいなタイプのDJはフジロックに呼ばれるスタイルではないのかなというのは分かっているんで。ハウスを連続でかけたりするわけじゃないし。フジロックのDJっていうとレッドマーキーでバキバキみたいなイメージがあったりするんですけど、そうじゃない、僕でも出られる小箱的なところがあったのはちょっと面白い発見でした。

※DJ TA-1がどんなタイプかはこちらを参照。

ー2008年に初めてフジロックに出て、今年2年ぶりに出場して。フジに出る前と後で変わったことはありますか?

TA-1:いい意味でフジロックに2回出たって言えるようになった(笑)。海外に行っても「フジロックいいよね!」て声かけてもらえたりして。海外の人も知ってるフェスだから、出たことあるってなっただけで、ちょっとみんなの見る目が違ってくるくらい。フジロックの大きさを実感しますね。そういうフェスってあんまりないと思う。

KC:僕らもそうですけど、お客さんの方もフェスってきっかけになるんだなというのは感じます。僕らも「次はホワイト出たいな」と思ったし。ひとつひとつ次へのきっかけになっていく気はしています。

ーケイシさんはこの2年で顔が変わったなという印象だったんですけど。

KC:……老けました?

ーいやいや、そうではなく(笑)。

KC:2008年と比べたら、今回の方が気持ちに余裕はあったんです。僕はフェスは結構得意で。ああいう場所ってとにかく楽しいじゃないですか。ワンマンとかと違って、ぶっちゃけ僕らがまあまあなライヴだったとしても、みんな楽しいんだろうなって。それくらいの気持ちでステージに上がれるようになったから。あと、ホワイトはお客さんの動きがすごく見えて、人が集まってきてるのも分かって、それも自信になったのかな。

ーかわいらしい印象から強い顔になりましたよ。

KC:褒め言葉として受け取っておきます(笑)。

ー2年の間に他のフェスにもいくつか出演されてますが、印象に残ったところはありますか?

アニキ:どこもそれぞれ独特の雰囲気があるので……甲乙つけがたいです。今年出たサンセット・ライヴは海があって、海の見えるところでライヴができるなんてなかなかないので、あれは良かったですね。

ヒロシ:SXSWも面白かったですよ。街中のパブとかお店で昼くらいからずーっとライヴやってるんですよ。歩いていてもどんどん音聞こえてくるし、なんだかなーって思いました。

ー他のフェスとフジロックの違いってなんだと思います?

TA-1:商業的な匂いがまったくしないところじゃないですか。コレに出たら売れる、とかそういうノリで出演者も出ていないような感じがします。もっと音楽的なフェス。ちゃんと音楽をやっている人が出ているから、グッド・ミュージックが溢れていて……ホントに好きですね。

ハマ:コンサート、ライヴばっかりという感じではないですよね。音楽以外でも好きな時間を自分で好きに過ごせる。どこ行っても楽しめるテーマパークっぽくて、そこに遊びにいってる感覚があります。僕はキャンプしてるから余計そう思うのかも。

KC:全体で楽しめますよね。ライヴもそうだし、移動中とかメシ食ってる時も、苗場にいる間ずっと楽しい感じがフジロックにはあります。

TA-1:僕らは大きいイベントなら何でも出るというスタイルではやっていないんです。今はフェスには出ないと、みたいな流れもありますけど、スタイルが違うなら出なくていい。自分達の音楽に合うところに出られればいいんです。フジロックは、それこそ出たくてイメージして作ったアルバムがあるくらいなんで、一番出たいフェスです。

「リディムサウンターは5人がフロントマンです」

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ーここからは少し普段のライヴの話も。各地のフェスやライヴ・ハウス、フジロックにしてもホワイトと苗場食堂でぜんぜん違うライヴをやっているし、場所によってスタイルを変えている印象があるんですけど、それは意識的にそうしているんですか?

KC:毎回違うライヴをしようというのは意識してやってます。ただ、場所というよりも気分的なものが強いから、あんまり深くは考えてないけど……。

TA-1:その時の思いつきとか、マイブームでしかない。

アニキ:この間の名古屋(10月24日クラブ・アップセット。アニキさんは柵の上を歩きながらトランペットを吹いてました)も、たまたま前の柵みたら、四角い柵で幅もあったから「あ、行けるなー」って。思いつき。

KC:でも、ライヴは1回1回だという意識はあるから、それが違うライブにはつながってますね。まわりからも「毎回違うね」っていわれるし、それはいいことだと思う。アルバムもそうなんですけど、ずっと同じことをやっていくタイプのバンドではないかもしれないです。

ーホワイトでも観客エリアまで降りてきちゃったし、普段のライヴでもお客さんをステージに上げちゃったり。回りを巻き込んで行きますよね。

TA-1:巻き込んでるんですかね? 僕らが巻き込まれてるんじゃないですか(笑)。

KC:観てるだけのライヴではないですよね。でも、あれも意識してやったわけじゃなくて、やってたら勝手にそうなっちゃった。そっちの方が楽しいし。

ーリディムのライヴは5人それぞれが見所なところも魅力ですよね。

KC:僕らは5人フロントマンという意識があります。だから、そう観てもらえるのはすごくうれしいです。
 去年とか一昨年くらい、海外に行き始めたころから、いい意味で「なんでもいいんじゃねえかな」って、カッコ良ければ、楽しめればいいんじゃないかって思うようになって。タイチがドラムなのに前に出てこられるのもそういう流れからの結果だし。本人は頭で考えてやってるわけではないと思いますけど(笑)。そうやって5人がドンと出て行けるのが、このバンドのいい形なんじゃないかと。リディムサウンターは5人フロントマン。これでいきます。

ーその中でも歌というのはやっぱり伝わるものが大きいし、中心にあるんじゃないですか?

KC:僕の歌というか、コーラスも含めてそこは重要にしてきているので、伝わっているといいなという感じはあります。リディムはコーラスがいいんですよ。もともとは女の子がひとり入っていて、僕とツインヴォーカルみたいなのがいいなという時期があったんですけど、その子がやめることになって、どうしようか……っていう時にハマが入ってきて。もともとヴォーカルやってたくらいなんで、今度はハマとヒロシと3声の良さが出せるようになった。ひとつ失ったけど、そこで違う武器を手に入れたんです。バンドがまたひとつ強くなった。

riddim_6ーコーラスはもちろんのこと、ケイシさんの歌もすごく力があると思うんですけど。ハマさんとヒロシさんは横で見ていてどうですか? 田中啓史というヴォーカリストについて。

ハマ:これいつも笑いそうになるんですけど、リハのモニターチェックの時にだいたい僕は「ヴォーカル、カットで」っていうんですよ。で、ヒロシさんも「ヴォーカル、カットで」っていうんですよ(笑)

KC:みんなヴォーカル聴いてないんですよ(笑)

ハマ:でも、遠くから聞こえてる声がすごく好きなんです。2年前より大きく見えるし。さっきもちょっと話に出てましたけど、顔が変わったっていうのは、老けたんじゃなくてそういう意味なんだと思います。オーラを感じます。

ヒロシ:僕は高校から一緒なんですけど、仲良くなって初めてカラオケに行った時に、ちょーうまくて。マイクって普通ここ(口元)じゃないですか、それをここらへん(胸元)で歌ってて。コイツ、ちょーパンチあんな!と思って。(一同爆笑)

 そんなことがあって、当時一緒にバンドやってたヴォーカルがやめた時に、そういえばアイツおもしれえし、歌うめえし、なんかここらへん(胸元)で歌ってたし、っていうので誘って一緒にやり始めたんです。それが今も続いてる感じですね。相変わらずすげえなーって思ってます。

KC:ありがとうございまーす!

ーでは、次はケイシさんから見たタイチさんを語ってもらいましょうか。

KC:タイチは日々成長する男なので。ライヴを昔から見てる人は分かると思うんですけど、今と以前とではぜんぜん別人。高校生の時(ヒロシと)3人でやってたビデオを所有してるんですけど、今の姿からは想像できないドラムを叩いてますよ。ぜんぜん動かないし。そうやってどんどん変わっていくのが、横で見ていておもいろいドラマー、バンドマンです。なんか、急に前をむき出したイメージがあるんですよね。いつの日からか。フロンティア・バックヤードとか、リディムサウンター以外のバンドでやり始めたのがでかいのかな。フロンティアでも最初のころと最近とではまったく違うので、昔の映像とかで成長っぷりを見たら面白いんじゃないでしょうか。タイチを掘って欲しいですね、ぜひ(笑)。

ー順番に聞いて行きましょう。タイチさんが見たアニキさんを。

TA-1:アニキはぶれないなーって。スタイルが。写真を撮ったときの表情がぶれない。これはすごいことなんですよ!ホントに。そういうどっしりした人ってなかなかいないから、そこがいい。

ーアニキさん→ヒロシさん。

アニキ:メンバーの中ではごちゃごちゃしない立ち位置にいますね。右にも左にもいかない、自分のスタイルを持ってやってるから。ヒロシもぶれない男です。

ーケイシさん→ハマさん。

KC:ハマは最後にバンドに入ってきたんですけど、リディムサウンターを救った男なんじゃないかと!それまで一緒にやってきたメンバーが抜けて、やっぱり辞める時っていろいろあるから、俺らがどうしよっかな……ってなってる時に、まあ、パンチのあるベーシストが入ってきたもんだ!と。バンドが一気に男らしくなった。ちょうどそういうのを欲していた時に入ってきたから、バンドの方向性がそこで決まったんだと思います。
 あと、入ってきたときは遅刻もせず、年下っぽい感じで入ってきやがったんですけど、今や寝坊はするは、寝坊はするは、寝坊はするは。気をつけてください。

ハマ:……最後、ほめてなくないですか?

KC:反省して(笑)。

ー(笑)。では最後にリディムサウンターのこれからを教えてください。

TA-1:次に目指すものがまだ見えていないので、それを探す旅に出ないとですね。そんなに目指すものって常にあるわけじゃないから。またそれが出てくる時がそろそろくるのかな、と思いつつ。

ハマ:リディムに入っていろいろやってきて、自分の想像していたものが全部現実になってる。イギリス行きたいとかアメリカでやりたいとか、フジロック出たいとか……。いろいろ夢がかなった感じがしていて。でも、それは想像してたことだからこそイメージを膨らませられた。それが今はすべて現実になっちゃったんで。一回、全部まとめて、整理して、また何かを見つけたいです。

ヒロシ:ここまで、曲作って、アルバム作って、ライヴやってという作業を繰り返して、今の時点だとサード・アルバムを出して。ツアーもやってフジロックも出て、なんとなく一段落みたいな雰囲気かな。次は何しよう、なに面白いことやってやろうかなって考えてます。バンドとしてはそういう時期です。もしかしたら、次お話する時はいろいろ見つかって、たくさん言えることがあるかもしれないです。

アニキ:楽しくバンドやっていけたらいいし、こういう音楽があるっていうことを知ってもらえたらいいなと。なかなか僕らを知るきっかけがないかもしれないけど、どこかで……。でも、まあリディムサウンターじゃなくても「この音楽いいな」って思ってそれをつきつめることが大事なんじゃないですか。

KC:続けることが大事かなって思っているんで。こうやって話すと、歴史のあるバンドっぽいんですけど、まだ10年も経ってない。10年以上やってる人たちとやるとすごいなと感じるし、僕らもそういうふうになっていけたらと思ってます。これからっす。僕らも。

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 フジロックに出たくて、そこをイメージしてアルバムを作って、実際に出場までしてしまう。こんなバンドがいままでいたのだろうか。ホワイトステージが身震いするほど圧巻のライヴで、たくさんの観客を惹き付けたのは必然だったのだ。しかも、そのライヴを「頭で考えてやってない」「思いつき」と言い切れてしまう自然体。5人全員が天性のバンドマンなのだ。最後のコメントを聞くと、今はひとつの目標をクリアして、次へとステップ・アップするための跳躍動作に入っているように感じる。ジャンプする方向が定まった時、いったいどこまで大きく跳んで行くのか。ヒロシのいう「なにか面白いこと」を見る日が楽しみだ。そのあかつきにはきっと苗場にも戻ってきてくれるはず。
 フジロックが大好きなバンドがさらに大きくなって、またフジロックのステージに立つ。その瞬間を目撃する日を待つのは、ぜんぜん苦じゃない。むしろフジロッカーズにとっては大きな喜びだ。

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文/輪千希美
写真/深野輝美(ホワイトステージ)、輪千希美(苗場食堂、木道亭)