• 【FRF’26 ARTIST PICKUP vol.3】MASSIVE ATTACK「時代をまなざす比類なきパースペクティブ」

    祝祭の夜に、世界のざわめきが紛れ込む。その感覚を、僕らは何度か体験してきた。フジロック’26の最終夜、その震源に立つのが彼らであることは、もはや出来すぎた構図にすら思える。2003年の『100th Window』リリース後、2010年の『Heligoland』を携えてのヘッドライナー出演。そして今回は、新作のリリースを予告しながら16年ぶり3度目の苗場へ帰還するブリストルの雄、MASSIVE ATTACK(マッシヴ・アタック)。幻となった1997年の2日目を経て、彼らはいつも作品の更新とともにフジロックに現れてきた。2026年の今、その姿は僕らの目にどのように映るだろうか。

    MASSIVE ATTACK | FUJIROCK EXPRESS’10

    ヒップホップの無骨なビートやサンプリングの手法に、カリブ海から持ちこまれたダブやレゲエのチルアウトなムード。フジロック’24や昨年末の来日ツアーも大盛況だったBETH GIBBONSもしかり、2010年代後半あたりからじわじわと再評価の声が聞こえてきているトリップ・ホップ、あるいはブリストル・サウンド。その言葉が再浮上するたび彼らは源流として語られるが、重要なのは様式そのものではなくアティチュードだ。

    身体を揺らすどこまでも甘美で陶酔的な肌触り。しかし同時にどこか不穏で、終末の気配をほのかに漂わせるサウンド。その緊張感が呼び起こすのは、生存本能にも似た感覚だ。快楽と不安が同時に増幅される矛盾。この感覚こそ、Daddy Gことグラント・マーシャルと3Dことロバート・デル・ナジャが編み上げてきたテクスチャーのエッセンスであり、踊ることは逃避ではなく、むしろ現実と対峙するフックのように機能する。日本の文脈で言えば、GEZANやTHA BLUE HERBの身体性に近い感覚もあるかもしれない。

    Massive Attack – Inertia Creeps (Live – Melt Festival 2010)

    そして、だからこそ彼らのライブの醍醐味ともいえる、各国の言語にローカライズされたメッセージ性の極めて強いビジュアル展開が、この上なく鮮烈に刺さるのだろう。とっくのとうに他人事ではない気候変動、台頭する極右ナショナリズムと排外主義、終わらないどころか今さっきまたはじまってしまった戦争と虐殺。Instagramなどを見ていてもわかるだろうが、うんざりするほど問題が山積する世界に対して、彼らは40年近いキャリアの中で一貫して明確な立場を取り続けてきた。

    ちなみに本人らは煙に巻いてはいるが、かのバンクシーの正体が3Dと噂されていることも象徴的だ。真偽はさておき、都市の壁に描かれる風刺と、スクリーンに映し出されるシニカルな表現が同じ地平を見つめていることは想像に難くない。何人かのツアーメンバーとともにストイックに演奏するなかで、そういった同時代性の灯るメッセージが痛いほどに馴染んでしまうのが、彼らのサウンドが持つ普遍性なのだ。

    Massive Attack – Unfinished Sympathy (Live – Melt Festival 2010)

    4月にはDaddy GとDon Lettsの日本ツアーも控え、夏への気運がどんどん高まっていくMASSIVE ATTACK。前掲の2010年のレポートでは観客から「キツイな」「メッセージ性強すぎて、ヤバイ…」といった声も漏れていたとあるように、もしかしたら彼らのパフォーマンスを観て居心地が悪く感じる部分もあるかもしれない。16年経ってずっと切迫感を増した、今日の空の下だとなおさらそんな予感もする。だが、その両義性を引き受ける体験は、快適で楽しいだけのものではないとしても、だからこそ忘れがたいものになるはずだ。

    フェスティバルの歓喜のただなかで、醒めた視線を失わないこと。享楽的に踊りながら、時代をまなざすこと。その倒錯めいた自由を噛み締めながら、比類なきパースペクティブを僕らはまた目撃する。

    Text by 阿部仁知

    初めてでも安心のフジロックガイド

    フジロックに行ってみたい!でも、わからないことも多いし、本当に行けるのか不安…。
    そんな皆さんに向けて、フジロックに参加しやすくなる情報をお届けするサイト「Start Your FUJI ROCK」
    お得に参加する方法や、お子様と一緒に楽しめる情報など、あなたに合ったフジロックへの道をわかりやすくガイドします。

    ▼ 詳しくはこちらをチェック! ▼

    チケット情報

    ◆先行販売受付期間

    2月20日(金)12:00〜5月15日(金)23:00
    ※先行販売期間中であっても、規定枚数に達した場合販売を終了させていただきます。
    ※各種注意事項を必ずお読みいただいた上でチケットをご購入下さい。

    ◆販売チケット(以下すべて税込)

    <入場券(各1名)>

    ・3日通し券:57,000円
    ・1日券:25,000円
    ・金曜ナイト券:¥16,000
    ・Under22 1日券:¥18,000
    ・Under17 1日券:¥9,000

    <駐車券(各1名)>

    ・3日通し券【S駐車券】:22,000円
    ・3日通し券【A駐車券】:18,000円
    ・1日券:6,000円
    ※駐車券は2名様の入場券と合わせてのみ購入可能です。
    ※駐車券のみ単体での販売はありません。
    ※1日駐車券は場外駐車場となります。
    ※Under 22 1日券、Under 17 1日券、金曜ナイト券では駐車券を購入することはできません。

    <キャンプサイト券(1名)>

    6,000円(全発売期間共通/開催期間中有効)
    ※15歳以下は保護者の同伴に限り無料でご利用いただけます。
    (2026年7月26日時点で満15歳以下の方が対象です。要写真付き身分証)

    <オートキャンプ「ムーンキャラバンチケット」- 4輪(車両)チケット/2輪(バイク)チケット>

    ・3日通し入場券(1名):57,000円
    ・専用キャンプサイト券(1名):6,000円
    ・4輪(車両)チケット(1名):22,000円 ※2名様より受付
    ・2輪(バイク)チケット(1名):10,000円 ※1名様より受付

    ※オートキャンプ施設「MOON CARAVAN」専用のチケットです。ご利用にはムーンキャラバンチケットが必要となります。
    ※このエリアは4泊の施設のため、車の入出庫時間が限定されます。
    ※上記入場券+専用キャンプサイト券+専用駐車券のセット販売です。専用駐車券及び専用キャンプサイト券のみの受付はできませんのでご希望のお客様はオフィシャル先行発売以降にお求めください。
    ※「期間限定早い割引チケット(早期割引)」との併用はできません。

    <サービスパス FUJI ROCK go round>

    場外エリアから場内最奥エリアまで運行するバスやエアコン完備の全天候型専用ラウンジ、専用トイレなど、1日を通して利用可能なサービスパス。
    料金:18,000円(各日 / 1名様)
    有効期限:各日9:00〜24:00

    ※ご利用には、入場券が別途必要です。
    ※FUJI ROCK go round専用リストバンドのみでご乗車できません。
    ※当日有効な入場リストバンドが必要です。
    ※15歳以下は保護者の同伴に限りご利用いただけます。2026年7月26日時点で満15歳以下の方が対象です(要顔写真付き身分証)。写真付き身分証をお持ちでない方は、学生証、各種健康保険証、母子手帳、住民票の中から2点ご提示ください。
    ※限定枚数の販売です。規定枚数に達し次第販売終了となります。
    ※シャトルバス、専用ラウンジともに、ご利用が集中した場合、お待ちいただく場合がございます。
    ※リストバンドは、会場に設置されるリストバンド交換所でお渡しします(紙チケットをご用意の上、ご来場ください)。
    ※運行時間は、当日の天候や道路状況により変更となる場合がございます。

    ◆販売プレイガイド

    ・イープラス:https://eplus.jp/frf/
    ・FRFオフィシャルショップ「岩盤」:http://ganban-ticket.ocnk.net/
    ・チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/frf/

    ※ムーンキャラバンチケット、サービスパス FUJI ROCK go round の取り扱いはe+のみとなります

Fujirock Express
フジロック会場から最新レポートをお届け
PAGE TOP