フー・ファイターズ、17年ぶりの単独来日ツアー開催! 「デイヴを愛し、愛される」さいたまスーパーアリーナ初日公演レポート
- 2025/10/08 ● REPORT
2025年10月7日(火)さいたまスーパーアリーナにて『FOO FIGHTERS -LIVE IN 2025』が開催された。ライヴフォトは後日追加予定だが、会場の熱気をいち早くお伝えすべく、テキストレポートを公開!
(追記)フォトグラファー古溪一道氏によるライヴフォトが到着!あわせてお楽しみください。

Photo by 古溪一道
筆者は初めて訪れたさいたまスーパーアリーナ。開場中、BGMに耳を傾けてみると、プリテンダーズ、フリートウッド・マック、ザ・クラッシュ、ザ・フーなど60〜70年代を中心としたロックミュージックが流れており、ほどよくノスタルジックな雰囲気に包まれている。
本公演では、サポートアクトにおとぼけビ〜バ〜が登場。世界に羽ばたくジャパニーズ・ガールズバンドは、今回も激熱のパフォーマンスを魅せてくれた。デイヴ・グロール直々のご指名が入るのも頷ける。ヘヴィメタルのようなバキバキの音とあっこりんりんの高音シャウトは、ロックの枠をとうに超えているような気がする。恐ろしいほどの気迫に圧倒されるものだから、オーディエンスも自然と高速拍手をしてしまうし、ヘドバンもキメてしまう。おとぼけビ〜バ〜がバイブスをぶち上げてくれたおかげで、フロアはいい感じにあたたまっている。さあ、準備は整った。

Photo by 古溪一道
フー・ファイターズのメンバーがステージに上がると、会場総立ちで大熱狂。一曲目は“Enough Space”。私はこの瞬間に悟るのだ。今宵のデイヴは観客を煽って、歌わせて、踊らせにくると。スクリーンには歴代のディスクジャケットが映し出され、初っ端から私たちは懐古に浸ることとなった。その後、カッティング奏法が光る“All My Life”、“Rope”とアップテンポな曲が続けば、テンションの逃げ場などない。ファンは全力で叫びつづける。
“The Pretender”の演奏がはじまったとき、私はハッとした。というのも、過去にデイヴが曲名のPretenderについて「政治的な意味合い」が含まれていることに言及していたからだ。近頃、指導者や権力者が好き勝手に持論を展開し、権力を振りかざす場面をたびたび目撃する。世の中が権威によって混乱に陥ったとき、ギターをかき鳴らしながらコーラスで強烈に叫ぶデイヴのように、私たちも声をあげ続けなければならないことを改めて自覚した。

Photo by 古溪一道
だが、反骨精神を体現した楽曲と相まって、デイヴは終始楽しそうだ。「You wanna sing song!?」と問いかけてオーディエンスの反応を楽しんでいるようにもみえたし、「I Love you!!!」と何度もラブコールを送っていた。実は、デイヴはおちゃめなのである。サッポロ黒ラベル(私は札幌出身なので、ここで湧く)を飲んだ後に曲紹介をしようとすればゲップを出してしまうし、“My Hero”の直前に、フジロック’97で少年ナイフやハイロウズを観た感想を嬉しそうに語っている姿は、さながら音楽少年のようだ。フー・ファイターズのマネージャー、ジョン・シルヴァの誕生日であることを突如発表し、会場全員で祝福する流れになったときも楽しそうな笑顔を浮かべていた。
ライヴ後半に演奏された“Big Me”では、過去のパフォーマンス映像をコラージュしたものが映し出される。故テイラー・ホーキンスの姿もあったので、気がついたファンもいたのではないだろうか?これからライヴに来る方もぜひ注目してみてほしい。
デイヴはこれまで何度も愛する者を失ってきた。カート・コバーン、母・ヴァージニア、テイラーは間違いなく大きな存在であっただろう。どんなに辛くても音楽をやめなかったデイヴには「ありがとう」と伝えたい。今は筋金入りのパワフルドラマー、イラン・ルービンがバンドの音を支えている。私たちも精いっぱいの愛でデイヴを、フー・ファイターズを応援しよう。

Photo by 古溪一道
ちなみに、10月8日(水)の当日券が15時より現地販売される。チケットをGETしたい方は早めに会場へ!!
Text by YAMAZAKI YUIKA
【SET LIST】
1 Enough Space
2 All My Life
3 Rope
4 The Pretender
5 Times Like These
6 Stacked Actors
7 La Dee Da
8 These Days
9 Walk
10 My Hero
11 Learn To Fly
12 This Is A Call
13 No Son Of Mine
14 Shame Shame
15 Big Me
16 Monkey Wrench
17 Aurora
18 Best Of You
19 Everlong