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9月

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フジロックのルーキー・ア・ゴー・ゴーは、ブレイク前のバンドが登場するステージとして、すっかりお馴染みだし、例年8月
後半におこなわれる、ルーキー・ア・ゴー・ゴーのアフターパーティーもお馴染みとなりつつある。今回は、8月21日に下北沢ガ
ーデンでおこなわれ、ボウズマンズ、泰山に遊ぶ、マヒルノ、そしてゲストという形でa flood of circleが登場した。

photo by?MASUYO HOYA

フジロックのルーキー・ア・ゴー・ゴーは、ブレイク前のバンドが登場するステージとして、すっかりお馴染みだし、例年8月後半におこなわれる、ルーキー・ア・ゴー・ゴーのアフターパーティーもお馴染みとなりつつある。今回は、8月21日に下北沢ガーデンでおこなわれ、ボウズマンズ泰山に遊ぶマヒルノ、そしてゲストという形でa flood of circleが登場した。

今回の会場の下北沢ガーデンは今年6月にオープンしたばかりの新しいライヴハウスだ。ステージの背後には、フジロックでも使われたバックドロップが掲げられていて、ルーキー・ア・ゴー・ゴーの雰囲気を作っている。遅れて到着したため、全部のバンドを観ることはできなかったけど、フジロック本番のときには、なかなか行くことのできなかったルーキーの雰囲気を味わうことができた。

0726_mahiruno_ro_00012 「当日夜に着いたので、フェスを満喫するまでいかなくて」と語るのは、マヒルノの赤倉。「プログレ」とか「サイケデリック」と形容されることの多い彼らは、堅実な演奏でストイックな印象を与える。だけど、メンバーたちの趣味はもっとバラエティに富んでいるようだ。「ウィーザーが好きなんです。着いたときに『バディ・ホリー』をやってくれて。待っててくれたんだ、と思いました(笑)」。と、CDやステージとはまた違う、普通の音楽ファンの表情をみせてくれた。

「フジロックでは激しい曲をやったので、メロウな面をみせたい」とMCで語った、この日の演奏も、その言葉とは裏腹にしっかりとした重さを感じさせて、緊張しながら、浮遊感もある、聴く人によっていろんな解釈ができる独自の世界を作っていた。「『ルーキーに出たことあるんだ』と5年後に振り返るのではなく、次につながるように、ルーキーのときの気持ちを大切にしたい」とドラムの張江は語るように、次は真昼のホワイトステージあたりで観られることを期待したい。

この日のラストに登場したのは、a flood of circle(ア・フラッド・オブ・サークル)。彼らは2007年のルーキーに出て、今年はレッドマーキーのステージに立った。フジ本番では、バンドに降りかかるトラブルと闘う佐々木の真摯な姿が印象に残る。詳しくはフジロック・エクスプレスのレポートを見てもらいたい。エクスプレス・スタッフの中でもフラッドの人気は高く、エクスプレスの作業場から人がいなくなってしまったのは、フラッドと筋肉少女帯くらいだったのだ。

0725_afloodofcircle_re_0001 「(ルーキーに出たときは)深夜から(今回は)早朝なので、空気が違いましたね」とヴォーカルの佐々木が語る。「このステージで10時間待てば、ダイナソーJr.が出るんだ」と感慨深そうにしていた。サポートギタリストとしてフラッドと同行している奥村はダイナソーJr.のギタリストであるJマスシスのサインを貰い、ダイナソーのライヴは「髭(HiGE)の斉藤とポリシックスのフミと前の方で観ていた」とのこと。メンバーたちはいろんなステージを堪能したようで、よかったのは、「トータス」(佐々木)、「ミーターズショーン・クティ」(ドラム渡邊)、「ネヴィル・ブラザース」(ベース石井)。

フジロックでも、この日のステージでもバンドは2年前と比べ自分たちのテンションの表現の仕方が身についてきたように、同じ曲でも、そこに込められた気持ちの大きさが違ってきている。「(レッドマーキーは)フラッド史上、一番大きいステージで、音が遠くまでいく感じだった。次はもっと大きいところでやりたい」と石井。フジロックというのは、バンドにとって、さまざまな節目となるのだろう。今、改めて過去のルーキー・ア・ゴー・ゴーの出演者をチェックしてみると、アジアン・カンフー・ジェネレーションやサンボマスターなどの他にも、現在活躍しているバンドは意外なほど多い。それだけ登竜門としての役割をきっちり果たしているわけで、マヒルノやフラッドの今後の活躍を期待しよう。

写真はすべてフジロック当日のものです。

マヒルノ: photo by?MASUYO HOYA

a flood of circle: photo by?Makiko Endo

text by org-nob