fermin muguruza photo by Koichi “hanasan” Hanafusa

 フジロックと言えばやっぱり音楽。自分の立てたプランにまだ空きがあって「ここはもう少し何か、知らないところを開拓したいなぁ」なんて思うことはありませんか? そんなあなたに、オルグスタッフ一押しアーティストをお届けします。「忙しくてまだ出演アーティストをチェック出来ていない」なんて方もここをチェック。これで、より一層楽しいフジロックになる事間違いないしだと思いますよ。

■【org-tammy】 rafvan  7/24(金)ORANGE COURT 15:20〜 他

 「ジプシー系バンド」と聞いて期待がウズウズ。今年フジロックでは出演回数がなんと6回という謎のバンド、Rafven。スウェーデンの路上で結成されたという彼らの音楽は、アコーディオン、ホーン、バイオリンなどが入ったアイリッシュ系。とびきり明るい演奏を引っ下げて、路上、民家、パブ、電車などヨーロッパのいたるところをステージとして渡り歩いてきたようです。そんな彼らの初来日が苗場。3日間を通してORANGE COART、苗場食堂、GYPSY AVALON、Café de Paris、CRYSTAL PALACE TENT、木道亭と、会場をジプシーのごとく旅します。曲は知らなくても大丈夫。必要な予習は、踊るため、飲むための体調をバッチリ整えること。昼間の、深夜の、炎天下の、雨の…いろんなRafvenを是非是非一緒に楽しみましょう!
※ お酒が必要以上に進んでしまうかもしれないので、くれぐれも注意!

○オフィシャル・サイト
http://www.rafven.com
○YouTube
http://www.youtube.com/juverafven

■【org-ai】 清竜人  7/24(金)木道亭 17:30〜

 誰かを大切に想えるだけで、人は強くなれる。そして痛みを知った時、人は優しさを覚えていく。そのことを改めて教えてくれたのが清竜人だった。映画の挿入歌やauのCMソングなどで、急速に多くの人達に浸透している彼の存在。オーガニックな雰囲気とクリアな声が印象に残っている人もいるはず。まるで日常を切り取ったような風景を運んできてくれる音楽だ。聴いているだけで、穏やかな気分になれる。20歳とは思えない安定感のある歌声が魅力の清竜人。フジロック初日となる24日(金)の木道亭の中で、どのような空気感を作り出してくれるのだろうか。きっと多くの人の目と耳を惹き付けるに違いない。そう確信できる新人アーティストだ。

○オフィシャル・サイト
http://emimusic.jp/kiyoshi/
○My Space
http://www.myspace.com/kiyoshiryujin

■【org-ai】 Justin Nozuka(ジャスティン・ノズカ)  7/25(土)ORANGE COURT 16:30〜

 2年連続出演となるジャスティン・ノズカ。今年は2日目となる25日(土)のオレンジコートと苗場食堂に、自身のバンドを率いて登場する。以前ライヴを体感した時、まるで時間が止まったのかと錯覚してしまうほど、引き込まれたのを覚えている。それだけ聴き入ってしまうほどの歌声の持ち主だ。彼が奏でるのは、優しく響いてくる楽曲から、果てしなく孤独を感じさせるものまでと幅広い。しかしどの曲をとっても、人の心を動かす力がある。今後、ずっと見続けていきたいと思えるアーティストのひとりだ。バンド編成では初となる日本でのライヴ。さらなる進化を見せてくれるであろうと期待が募っている。

○オフィシャル・サイト
http://www.justinnozuka.com/
○My Space
http://www.myspace.com/justinnozuka
○Smashing Mag
http://smashingmag.com/data_base/artist/justin_nozuka.html

■【org-Death Metal】 GONG  7/24(金)ORANGE COURT 19:10〜

 GONGは、オーストラリア出身のヒッピーであるデヴィッド・アレンが結成したサイケ、スペース、ジャズ、プログレ等様々なジャンルを包括したユーモア溢れるフランスのバンド。世界各地にGONGファミリーと言われるゴングから派生したバンド等沢山いて(なんたってヒッピーですから)、とにかくサイケ、宇宙、いや、変態。この言葉に尽きます。その中で今回GONGという母体のバンドがやってきます。メンバーですが、前述したデヴィッド・アレンはソフト・マシーンのオリジナル・メンバーで他にもカンタベリー・ロックを代表するミュージシャンやポリスの前身バンドのメンバー等、本当個性の塊みたいな人たちの集まりです。曲は勿論、衣装やパフォーマンスもかなり個性的で知られる彼らのこと、何が起こるかはわかりません。70歳を過ぎてもなお変態であり続ける彼らが創り出す不思議な世界観にどっぷり浸っちゃいましょう。

○オフィシャル・サイト
http://www.planetgong.co.uk
○My Space
http://www.myspace.com/gong2032

■【org-maru】 サニーデイ・サービス  7/26(日)FIELD OF HEAVEN 16:00〜

 昨年のフジロック初日の7月25日に届いた、“サニーデイ・サービス再結成” の一報から1年。遂に苗場で、あの妙に熱くパッション全快な曽我部と、妙に無表情で淡々としたリズム隊の2人から鳴らされる、これぞ日本語ロックなサニーデイ・サービスの音を聞く事が出来る! こんなの号泣ものだ。「7年後に、みんなそれぞれがんばってたら、もう一度やろうね」 解散時の約束から1年後とはなったが、こんな約束を知らなかったファンには、寝耳に水のまさかの復活。春に東京で行われたライブでは、2ndアルバム『東京』のジャケットの様なお酒も進む満開の桜の下、あの頃と変らない真っすぐな歌とともに4曲の新曲が披露された。今回は、再結成後3回目のステージとなる。新曲はもちろん、風が通り過ぎる夏空の下、キラキラ眩しいあの曲たちを、是非みんなで聞きたいです。

○オフィシャル・サイト
http://www.sokabekeiichi.com (曽我部恵一)

■【org-IB】 SEUN KUTI & EGYPT 80  26(日)ORANGE COURT 21:30〜他

 今年の「多国籍軍団」のトリはアフリカで最も危険な国と呼ばれるナイジェリア発のレベルミュージックです。1960年代後半、フェラ・クティは軍事政権に対する怒りをユーモアたっぷりの歌詞にし、強烈なダンスビートと融合させアフロビートを誕生させました。その反逆の遺志は現在も受け継がれ、進化を続けています。その最前線のひとりがフェラの末息子、83年生まれのシェウン・クティで最新アルバム『MANY THINGS』では、フェラの伝説のバックバンド「EGYPT80」を従え、怒り爆発のアフロビートを聴かせてくれました。ど真ん中ストレートのみのアルバムに物足りなさを感じましたが、ライブでは単なる伝統の継承ではなく、現代のナイジェリアっ子なりの反逆の音を期待します。腕を組んで見るなんてナシで、両手は空へ、踊り続けたその先ではきっと笑顔と勇気に出会える事でしょう!異母兄フェミ・クティも’99年に登場しており、熱狂のレポートは下記をご覧ください。

○fujirockexpress’99
1999 8/1 field of heaven
1999 8/1 field of heaven
1999 8/1 field of heaven
1999 8/1 green stage
1999 8/1 green stage

○My Space
http://www.myspace.com/seunkuti

■【org-tiki】BOIKOT 7/24(金)ORANGE COURT 12:00〜

 まずは、初日のオレンジにて。朝一からの奥地は通りすがりも通用しないのが勿体ない。ボイコットはバンダ・バソッティのイタリア・ツアーに2年連続(2007年は代打)で出演した、キャリア10年越えのベテランだ。バンドそのものはパンクを軸にしながら、実はかなりのメタル好きで、音の端々にゴリッとした部分が見え隠れする。かと思えば、ベーシストがロマの血をいているせいか、ジプシー的な要素も芯として存在している。セットリストには、おそらくフェルミン・ムグルサが音楽活動の原点としたバンド、コルタトゥの曲も入ってくるはずだ。ドラムを担当するグラスのひょうきんなキャラクターも面白く、サポートのホーンを帯同して来てくれれば言うことなし。どうでもいいことだが、かなりの秋葉原好きで、ツアーついでにSofmapとか行っちゃうらしいよ?

○オフィシャル・サイト
http://www.boikot.com.es/index.html

○My Space
http://www.myspace.com/boikotofficialsite

○smashing.mag
http://smashingmag.com/data_base/artist/boikot.html

■【org-tiki】esne beltza 7/24(金)ORANGE COURT 13:30〜 他

 対して、こちらはフェルミン直系のエスネ・ベルサ。彼らは、2007年のフェルミン・ムグルサ・アフロ・バスク・ファイア・ブリゲイドでボタン式アコーディオンを弾いていたシャビ・ソラーノ、猿の鳴き声のようなサイレンを連発していたセレクター(DJ)のDZ、トロンボーンのジョン・エリザルデが中心。バスクでのライヴでは、ブレイクダンサーが踊るわ、民族舞踊の踊り手が出てくるわ、フロアへ降りて行くわで、しっちゃかめっちゃかな状態となっていた。『メイド・イン・エウスカル・エリア』では、日本勢としてラバダブマーケットと、ヒューマンビートボクサーの桜井響が参加しているので、乱入なども期待していいだろう。クラブの雰囲気をステージへと持ち込む、まったく新しいライヴ・バンドだと言える。

○オフィシャル・サイト
http://www.esnebeltza.com/

○My Space
http://www.myspace.com/ESNEBELTZA

○smashing.mag
http://smashingmag.com/data_base/artist/esne_beltza.html

■【org-tiki】RADICAL MUSIC NETWORK〜EKD 7/25(土)CRYSTAL PALACE TENT 26:15〜

 去年インタビューを行なった、小宮山ショーゴ氏が取り仕切るイベントの出張版@クリスタル・パレス。エスネ・ベルサのDZ、ラ・キンキー・ビートのルーデがDJで参加することが決定している。ルーデは「イタリアの番長」の異名をとり、マヌ・チャオのリミックスにも参加している。なんやかんやと言う前に、Myspaceで試聴したほうが早ええ、てなもんだが、他のフジ出演者(クール・ワイズ・メン、渡辺俊美、エル・スカンク・ディ・ヤーディ)との繋がりも強固で、乱入といったハプニングも十分にあり得る。なにを隠そう、リコ・ロドリゲスの来日サポートにワイズメンを当てたのがRMNの連中だから、その感性は折り紙付きだ。メスティーソ(混血)の流れそのままに、ギター、パーカス、セレクターという変わった構成のバンド、EKDがバトンを引き継ぐことになっている。ラテン圏のたぎる雰囲気をひと息に体験するなら、このパーティしかないかも。一足先に楽しみたいという人には、水曜日に開催されるRADICAL MUSIC NETWORK 2009がオススメです。

○オフィシャル・サイト
http://www.japonicus.com/

■【org-tiki】DICK EL DEMASIADO 7/26(日)Cafe de Paris 19:15〜

 ヴェリー・ビー・ケアフルを覚えているだろうか? 彼らが鳴らしたチープな2拍子、いわゆる「チッチキ」ビートのループがクンビアのキモ。VBCは朝霧とフジの両方において、度を超した酔っぱらい状態でライヴをかましたが、演奏はあくまで正攻法だった。対して、ディック・エル・ディマシアードはクンビアを中心としたラテン音楽を電化、いじりたおして音そのものを酩酊状態にしてしまった。最果てのカフェ・ド・パリに漂うこじゃれた雰囲気を、よい(良い? はたまた酔い?)意味で腰砕けにする彷徨いのサウンド。フラフラと踊ってしまうような、浮遊感漂う摩訶不思議ワールドを是非とも体験して欲しい。今の日本においては「謎」の人物だけに、フジのキワモノをキャッチするアンテナは電波バリ3てことを思い知らされる、そんなブッキングの極み。

○オフィシャル・サイト
http://www.periferico.org/dickeldemasiado/

○My space
http://www.myspace.com/dickeldemasiado

■【org-tiki】EL SKUNK DI YAWDIE 7/26(日)苗場食堂 17:20〜

 穴の開いたボックス、カホンとギターだけのアコースティック・ユニットであるエル・スカンク・ディ・ヤーディ。1stアルバム『ラガマリアッチ』収録の”Pabo”が、iTuneのストアで「今週のシングル」に抜擢され、最近では、ヴィレッジ・ヴァンガードでイチオシ認定されていたりもする。ラスタカラーに彩られた一枚布の向こう側に、ロック、パンク、ジプシー、ラテン、ジャズ、フォーク、etc……と様々な匂いを漂わせ、シンプルかつ大胆に組み上げられる音は唯一無二。これだけの要素を含みながら、ステージには2人のみという驚き。つい「削ぎ落としの美学」などという、使い古された表現も使いたくなる。そのうち、もっと大きなステージへと進出することになるだろうが、上り調子の今だからこそ、ここで激プッシュする。見た人にとっては2009年のベストアクト候補に入ってくるような、相当楽しいライヴになること受け合いだ。

○オフィシャル・サイト
http://el-di-yawd.seesaa.net/

○My space
http://www.myspace.com/elskunkdiyawdie