【欧米のミュージシャンの詞の中身まで理解して、自分の血となり肉となるような意
識に出来るかどうか】
――思想の制限はないのですか?
「思想の制限はない。基本的に、社会的な諸活動をやっているグループで、極端に国
際的なネームバリューがあって何億も予算を持っている以外の人たち。ただ、(一昨
年出た)アムネスティは世界的に有名だけど、イギリスのアムネスティの本部から
SMASHにぜひ出たいっていう話で来ちゃったものだから、SMASHとしては今回はしょう
がないなと。日本のアムネスティは小さいからね。いいんじゃないのということで。
(大久保さん、ミラレパの田原さん、ASJの羽仁さんと)地雷をやっている浜本の4人
の幹事会の合意を日高も尊重するっていうことで。
ステージアピールについては、時事的な問題であれば、それは制約なしで考えた方
がいいかなと僕は思っているんだけどね。例えば、イラクの攻撃が不幸にも始まった
場合、NGOの大きな団体がいくつか動くかも知れないけど―――国境なき医師団とかあ
るでしょ。そういう人たちがもし、アピールしてもらえるのならNGOテントとは別に
ステージアピールとしてやると。それはそれで、特別なカンパなり、寄付をお願いす
るっていうのはアリかなと思っているんですけどね」
――考えてみれば、死刑廃止に熱心なのは、(自民党の)亀井さんだし、チベット解
放にはいろんな思想の人が参加していますよね?
「右の人の方が運動体としては主力だよね。日の丸とチベットの国旗を掲げて行進し
ているからね」
――――逆にNGO側の感想は?
「みなさんは、また出たいと言ってますよ。『いやー大変だな』と言ってもスタッフの若い人たちがぜひ行きたい、参加したいって押されてちょっと上の年齢の人も来てハマっちゃって、自然エネルギーの人もそうだけど来年もぜひ出たくてということで、わざわざそのためにどこかの財団に助成金を申請して『もう取ったので、今年出してもらわなきゃ困る』って(笑)」
――今の時代だと、いろんな運動に右翼的な思想が入ってくることもありますが。
「その団体がどういうふうな主張をしているかは事前にチェックしますけどね。とり
あえず、今はそういう人たちが来ていないからな。それは考えざるを得ないでしょ
う。排外主義的な考え方も、宗教的な考え方もいるだろうし・・・でも、フジロックって
そういう人たちまで興味あるかな?それは日高的なコンセプトでは許さないだろうし、
僕らもそのコンセプトを重々分かってやっているから。基本的に人権とか公正とか平
等とかそういったところの主張じゃないですか。死刑廃止フォーラムは亀井さんとは
関係ない市民活動だからさ、別だよ。死刑廃止議連は亀井さんが会長だけどね。
中村敦夫の緑の会議が環境グループで参加したけども、中村敦夫が来てステージア
ピールはNOなわけですよ。僕は保坂展人の秘書をやっているけども、保坂がやってき
て死刑廃止問題でステージで喋るのはNO、政治家はNO。それは原則になっています。
彼らが個人で来て、NGOヴィレッジに来てみて話をするのは別で、NGOの中で自分のこと
をアピールしたいっていうのであれば、NGOの中は許されるかもしれないけど、フジ
ロックのステージに立つとかはNOなわけだから。宗教家もそうだろうしさ」
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