• 先輩アーティストに聞く、フジロックの心得!
    〜Jinny Oops!からハンバートハンバートへの質問〜


    数多くのミュージシャンが目指す、フジロックのステージ。憧れが現実になったとき、高揚感とともに不安を抱く人もいたのではないでしょうか。苗場食堂に出演が決まったJinny Oops!は、10年前からフジロック出演をバンドの目標のひとつに掲げ、今年ついに実現させたバンドです。「フジロックの舞台に立つこととはどういうことなのか」「どんな気持ちで臨むべきなのか」など、新人バンドの疑問を先輩ミュージシャンにぶつけます。 質問に答えてくれたのは、過去3回の出演経験を持つハンバートハンバート。7年前の初出演時のエピソードなど、頼もしい(?)助言で切り返します。

    また、後半では「フジロックってどうやって出るの?」という出演秘話にまつわるエピソードで盛り上がりました。フジロックを目指すミュージシャン必見の座談会をお楽しみください。

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    ■ Jinny Oops! web
    石橋光世(Vo.、Gt.)、石田千尋(Ba.)、普天間瞳(Dr.)から成る3ピースロックバンド。テキサス州オースティンで開催される世界最大規模の音楽見本市、SXSWへの出演、アメリカツアーを経験し、10年越しの目標だったフジロックへの出演が決定した(7/27(日)苗場食堂)。4月にライブ会場限定シングル『BREAK』を発売。

    ■ ハンバートハンバート web
    佐野遊穂(Vo.)、佐藤良成(Vo.、Gt.ほか)によるアコースティック・デュオ。2007年に苗場食堂、2011年にオレンジコート、2012年にはCOOL WISE MANとのコラボユニットでフィールド・オブ・ヘブンに出演した。5月に新アルバム『むかしぼくはみじめだった』を発売し、現在は全国ツアーの真っ只中。

    初フジロックに向けて

    Jinny Oops!一同:今日はよろしくお願いします!

    石田:ずっと目標だったフジロックにやっと出られるので、すごく緊張してるんです。ハンバートハンバートが初めて出た時のことは覚えていますか?

    佐野:すっごく楽しかった!初めて出たのは苗場食堂だったけど、本当にたくさんのお客さんが見に来てくれて。前の年に渋谷クアトロで初めてワンマンライブをやったんだけど、その時以上にいたんじゃないかな。

    佐藤:近くから流れてくるクラブ音のせいで、自分たちが演奏している音は全然聞こえなかったんだけどね。そんな状況のなか、前のめりになって聞こうとしてくれたお客さんがいてくれたのがすごくうれしかった。それでこっちも楽しくなってきたのを覚えてる。

    佐野:全然聞こえなかったよね。歌っている声も聞こえないから、とりあえず何かしなきゃと思って、何かのお祭りでやっていたハワイアン音頭みたいのを思い出して踊ってみた(笑)。

    佐藤:踊ってたの?ステージの上で?

    佐野:うん。MCで話しても聞こえないし、緊張をほぐす意味を込めて「ハワイアン音頭やります」みたいな(笑)。それで盛り上がった気がするんだけど、自分のワンピースを踏んで転んじゃった…。

    普天間:盛り上がったんですね(笑)。私たちも苗場食堂に出るんですが、有名なバンドではないのでお客さんが聞きに来てくれるのかすごく不安です。

    Jinny_humbert_int_8石橋:セットリストはフジロック用に考えたりしましたか?

    佐藤:苗場食堂の時は特に何もしていないかな。当時は年間100本くらいのペースでライブをしていたから、毎日のライブの延長っていう感じだったと思う。

    佐野:お客さんは老若男女で本当にたくさんいるから、誰に向けていいか分からないよね。

    佐藤:2回目に出たオレンジコートの時は一応仕込んだよ。朝一番、森の中のステージということで、SEでクラシックの『森の朝』を流した。それから『(白雪姫の)7人の小人』の「ハイホーハイホー」っていう曲を歌いながら登場したんだけど、反応はあまり無かったかな…。

    佐野:特別すべったわけでもないけど、「森の朝」を演出してるんだよっていう気持ちは伝わってなかったと思う(笑)。いつも通りやるのが良いんじゃない?

    普天間:普段通りですね。…実はツアー中にハンバートの「長いこと待っていたんだ」をずっと聴いているんです。10年前からフジロックに出たいと思っていて、ようやく夢が叶った今の気持ちと歌詞がすごくシンクロして。フジロックでカバーさせてもらってもいいですか?

    佐野:えぇっ、ぜひ聴きたい!

    佐藤:もちろんOKです。苗場食堂で聞いてくれた人が「あっ、この曲!」ってなるかどうかは分からないけど(笑)。うれしいです。

    石田:ありがとうございます。頑張ります!

    フジロックに出る方法?

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    佐野:ところで、Jinny Oops!はどういう経緯でフジロックに出ることになったの?

    佐藤:俺たちも出たいんだけど、どうやって出たらいいのか分からなくて(笑)。

    普天間:私がアルバイトしていた大阪の店に、スマッシュの方がイベントの打ち上げでよく来てくれていたんです。そこで知り合って、CDを聞いてもらえることになりました。

    石橋:もちろん、すぐに呼んでもらえたわけではないんです。ずっとROOKIE A GO-GOに応募していたんですけど、そっちは全然だめで…。SXSWやUSツアーとか、バンドの成長の過程を見てくれていたから、今年声をかけてくれたんだと思っています。

    佐藤:なるほど。最初はバイトで培った人脈だったんだ。

    普天間:ハンバートハンバートはどうやって出ることになったんですか?

    Jinny_humbert_int_1佐藤:俺たちもイベンターさん経由だね。ハンバートのことを気に入ってくれていた人がいて、「良かったら出てみないか」って。

    佐野:普段の頑張りと、縁やタイミングなのかなぁ。

    佐藤:普段の頑張りって言っても、俺らの場合はフジロックに出たくて頑張ってたわけではないからね。一生懸命やっていたら、そこで縁が出来て呼んでもらえた。

    普天間:人との出会いで変わってきますよね。応援してくれている方もたくさんいるので、その気持ちに応えられるよう精一杯頑張ってきたいと思います!

    佐藤:苗場食堂ではきっと良いライブができると思います。楽しんできてね。

    佐野:フジロック、私たちも出たいなぁ。昔は一回出たら、次の年からはいつでも出られるシステムだと思っていたんだけどね(笑)。

    ■ 取材協力
    下北沢アミアミ(Ami-Amis)

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