朝霧ジャム『青空美容室』店主・関根教史さんインタビュー
- 2013/10/24 ● from fujirockers.org, Interview
朝霧ジャムではここ数年、お花のコサージュをつけたステキ女子が増えてることをご存知でしょうか?今年のフジロックでは『髪遊』として、そして朝霧ジャムでもアウトドアの環境の中でヘアアレンジ・サロンとして出店をしている『青空美容室』の店主、関根教史さんにお話を伺ってきました。
ー普段はどんなお仕事をされてますか?
普段はフリーのヘアメイクをしています。
ー主にどういった方にヘアメイクをされているのでしょう?
撮影だったりとか雑誌などです。あとは、(美容)学校で教えています。
ー先生もやられてるんですね。
はい、やってます。だいたい学校だと美容、服飾、あとブライダル系ですね。それからデパートとかで一般の方のヘアメイク講座をしたりだとか。デパート側から要望があればそういうことも。
きっかけは仲間内の遊びの中から生まれた
ーありがとうございます。そんなフリーで活躍されている関根さんなんですが、朝霧ジャム(以下、朝霧)で青空美容室を始めたのはいつからですか?
4年前から正式に青空美容室ってことで営業させてもらってるんですが、きっかけは5年前。カーニバルスターで、一緒のメンバーの亀山豊君って椅子を作るアーティストさんがいるんですけど、彼の提案で「外で髪を切ったりとか、髪の毛をアップスタイルにするのはどうだろうか?」 と。外で髪の毛を切るのは難しいので、友達限定でヘアアレンジを遊びでやるようになったのが5年前になります。
ー5年前ということは2009年ですね。
はい。そこで遊びでやっていたのがスタッフさんの目に留まりまして。その翌年の2010年にですね、青空美容室を営業させていただくことになって。カーニバルスターで遊びでやっていたことが、本当に営業になってしまったという。
ーそうなんですね。フジロックではフジロッカーズラウンジ内で『髪遊』として昨年から出店されていますけど、それも朝霧がきっかけとなっているんですね。実際に朝霧の青空美容室で1回ヘアアレンジをやってもらうのにいくらかかるりますか?
だいたい1,000円以下くらいです。
ーそれはどうやって決まって行くのですか?
ヘアアレンジのみだと500円なんですが、トッピングでお花だったりヘア飾りを足していくと追加のお金がかかりますが、だいたい1,000円以下で収まるようにしています。
ー会場でも女の子たちがお花つけているのを本当によく見かけますが、大人気ですよね。さっきも受付で「この色がいい!」ってみんな一生懸命選んでましたね。
そうですね、結構多いです。
ー朝霧では1日何人くらいのヘアアレンジをしていますか?
1日だいたい150人です。
ースタッフさん何人がかりで?
スタッフは3〜4名くらいでまわしています。1人1日50人くらいですね。
ー2日目今日も朝から並んでる方がすでにいらっしゃいましたね。
アウトドアの環境で、お風呂も入れなかったりもするので、「セットしたい」ってお客さんが結構多いです。2日目は特に並びますね。
ーやっぱり午前中にお客さんが集中しますか?
そうですね。1日目はみんな移動があるんでだいたい1時から2時くらいがお客さん増えて来たりする。2日目は結構午前中から。混んできますね。
ー今日もちょっとオープンが早かったってきいたんですけど。
今日は9時半オープンだったんです。
ー毎年そんなに早いんですか?
だいたい10時くらいを目安にしてるんですけど、今日は朝からお客さんが溜まって来ちゃったんで、ちょっと早めにやりましょうってことで始めました。
ー終わりの時間は決まってますか?
はい。片付け含めて夕方の5時を目安に。電気を使えないので、暗くなったら終わりという。
2日目っていうのは4時前後くらいで帰るお客さんが多いので、終わりまでだいたい1時間くらいかけて片付けを始めています。
ー朝霧は鏡が少ない空間なので、鏡があるってだけでも女子にとってはありがたいし、朝霧に来る人たちはおしゃれな人が多いですし、本当にいいサービスだと思うんですよね。通常美容室でやってもらうセットアップに比べてかなり破格の値段だと思うのですが、そのあたりでサービスに対する思いはありますか?
やっぱりフェスっておしゃれして来てる人が多いんですね。そこでやっぱり僕たちの考えとしては洋服だったりとか、お気に入りの靴だったりとか、アクセサリーを身につけてる中で、ヘアアレンジをやってあげることでトータルでバランスが取れるんじゃないかなって。やっぱり女の子なら髪の毛までやりたくなると思うんですよ。音楽だけでもテンション上がる人はたくさんいると思うんですけど、自分はヘアアレンジをやることで、テンションを上げてもらえたらなぁと。
一般の美容室じゃないんで、フェスに来てるお客さんが楽しく笑顔になってもらえれば、お金は最低限の技術料、材料費だったりをいただければ、こちらも大サービスということで。お客さんも楽しんでもらえて、僕たちも楽しめる。そういう空間を、朝霧の『青空美容室』だったり、フジロックの『髪遊』では考えてます。
活動歴4年の間に生まれた大事なものとは
ー青空美容室を始められ4年の間、反響はどんな風に変わりましたか?
最初の1年目は、僕1人でヘアアレンジをやっていて、亀山君に空間デザインを、亀山君の奥さんに受付をしてもらう形でやっていたんですけど、青空営業始めて4年目の今、スタッフが3人から6人に増えまして。ヘアアレンジをする技術者も4人になって。
ーどうやって増えていったのですか?
僕が美容学校で教えていた卒業生だったりとか、知り合いのヘアメイクさん、美容師さんの中で「フェスが好きだ」って言う人を中心に声をかけていったら、いまの人数に。
ーお客さんの反応で印象深かったものはありますか?
自分も好きな朝霧って場所で、みんなすごくテンション上がってる中で「ありがとう!」って言ってもらえること。今だとツイッターとかブログとかの書き込みとかにも「やってもらって嬉しかった!」って直接言ってもらえるのもそうだし、誰かから聞いたり、友達との会話の中で知って来てくれたりとか、後々にみんなからいい話聞くとやってよかったなって思う。
ーやはりツイッターとかSNSなどの活用で情報がどんどん広がるのですね。
朝霧のHPで掲載していただいているので、それで来て下さったりとか。あとは友達の繋がりですよね。やっぱり僕たちもお金っていうよりは繋がりを大事にしていきたいって思っているので、ここ4〜5年の中でのべで1,000人くらいの青空美容室のお客さんがいて、そういうお客さんたちがいろんな方々を繋げてくれて、口コミでみんないい情報を流してくれて、人が人を呼ぶみたいに。そんな中で、青空の営業が4年目を迎えることができたのは、本当にお客さんのおかげなんです。
ー顔なじみのお客さんも増えてきますよね?
1回目から来てくれてるお客さんは毎年来てくれて、「今年も来ました」って言ってもらえるとこっちも元気でますし、また来年も頑張りたいなって。ほんとに1年に1回なんですけど、お会いできるって嬉しいです。あとはフジロックでも『髪遊』としてやらさせてもらっていて、青空のお客さんがフジロックでも来てくれたりとか、逆にフジロックで出会ったお客さんが朝霧でも来てくれたりとか、そこでも繋がりってあるじゃないですか。そういう繋がりを大事にして、今後もいけたらいいなっていうのをすごく思いますね。
ー今後もぜひ続けていって欲しいです。来年に向けて、こんな風にやって行きたいっていう思いはありますか?
当初からなんですが、朝霧ジャムズのスタッフさんの助けだったりとか、スタッフのみんなの支えだったりとか、やっぱり1人の考えだけじゃなくていろんな人たちが関わっていく中で、うまくコミュニケーションをとって素敵な空間のある朝霧ジャムにできたらいいなって思っています。
ーあともうひとつ聞きたいことがあって、ヘアアレンジのデザインはどう決めているんですか?
お客さんのお顔を肉眼で見るんじゃなくて鏡越しで見た時に、そこでだいたい感覚なんですけど、似合わせというか絶対にかわいくなるポイントがあるんで、それを見つけてあげて、ポイントに(お花などの)アクセントをつけてあげるて、もっとかわいくしてあげられるように心がけてますね。
ーやっぱり的中ですよね。
そうですね、やっぱりお客さんって正直なんで、最初提案した時にちょっと「うーん」って時もあるんですけど、顔が笑顔になった時は「これだ!」ってなるんですね。やっぱり表情が鏡越しで伝わってくるので、そこで見た表情で僕たちは決めてます。自分がいいと思ってお客様にご提案したことが、気に入っていただけるとっとても嬉しいですね。
意外と増えてる男性客・・・!?
男性のお客さんが今年は多いですね。
ー男性ですか?
豪快な人が多くて1,000円以上置いて、「これでやってくれ!」みたいな(笑)
ー髪の毛短い方が多いんじゃないかと思うんですけど。
あのそういう時は飾り付けをゴージャスにしてあげて(笑)やっぱり格好良くなるっていうよりは、目立ちたいっていう人が多いと思うんで、これでもかくらいお花とかつけてあげて。そういう時は女性スタッフがやってあげた方がお客さんも喜ばれるんですよね。
ー意外でした。今までやってた男性のヘアデコレーションでどんなものがありますか?
つるを頭にぐるぐる巻きにして、お花を散りばめてあげて、そこにラメラメスプレーをかけてあげて、キラキラにしてあげたことがありましたね。
ーガールズ的なアレンジだけじゃなくて。
そう、パフォーマンス的な(笑)フジのお客さんでは、モヒカンにしてくれって人が多いんで、髪の毛のカットはできないので、ピンで中心に集めてモヒカンにしてあげて納得してもらってる。
ー女性と割合としてはどのくらい男性の割合はきてますか?
フジロックは9対1ですね。朝霧は8対2くらい。
ー朝霧の方が増えてますね!それだけ朝霧って開放的な空気があるんですね。
そうですね。あとそれから子持ちのお母さん方が喜んでくれていて、普段髪の毛とかお子さんいるとなかなかできないような方で、こういうときに子供と一緒にやって、普段できないことを楽しんでるって言う家族連れの方は多いですね。
ーお子さんとお揃いというのもまたいいですね。
ここで別れるのがお父さんの対応、「待ってるんだったら寝てていい?」みたいな、一緒に楽しむお父さんと「あっちで寝てるよ」ってお父さんと両極端で(笑)そういう光景もまたいいんですよね。
ー男性のお客さんも結構いらっしゃるというのは意外でした。フェスの楽しみをヘアアレンジで盛り上げてくれる『青空美容室』は今後も欠かせない存在です。未体験の人はぜひ来年のフジロック『髪遊』に遊びに行ってみて下さいね。