• フジロック直前!Glastonbury Festival 2024で観たフジロック出演アーティストの姿


    photo by Keiko Hirakawa

    photo by Keiko Hirakawa

    6月末にイギリスで開催された、世界最大級のフェスティバル『Glastonbury Festival 2024』(以下、グラスト)。筆者の僕は海外フェスティバル初参加どころか、海外に行くこと自体が高校以来という状況でしたが、取材チームの先輩方に助けられながらも、圧倒的なスケールの会場や様々なライブに圧倒されるばかりの5日間でした。今回はいよいよ直前に迫ったフジロック出演アーティストのライブを中心にまとめていくので、苗場のステージにも期待しながらお楽しみいただけると嬉しいです!

    最高のパーティーへ誘うサウンドを一身に浴びる

    カリフォルニアのシンガーREMI WOLFは、ギター/ドラム/ヴォーカルのバンド編成で、グラストで4番目に大きいステージのWOODSIESに登場。なんと言っても盛り上げ上手で、コール・アンド・レスポンスでかなりややこしい高音のシャウトを求めたり、みんなでお尻を振ったり、はたまた少し書き起こしにくいようなフレーズでフロアを煽ったりと、カラッとしたユーモアが冴え渡ります。音源のポップさとは裏腹に、かなりソリッドで荒々しいサウンドにびっくり。それでいて音作りやフレーズはダンスポップの軽妙さがあって、力強い歌声が随所に存在感を放つライブでした。

    REMI WOLF(photo by Keiko Hirakawa)

    REMI WOLF(photo by Keiko Hirakawa)

    有名な「GLASTONBURY」のロゴがある丘のふもとのステージTHE PARKでは、PEGGY GOUがシビれるパーティーを演出。Fatboy SlimやHannah Laingの楽曲や、ゲストシンガーのSophie Ellis‐Bextorを交えたパフォーマンスなどを織り交ぜつつ、ジリジリと盛り上がるフロアに大アンセム“(It Goes Like) Nanana”を投げかける流れに、世界最高峰のダンスミュージックを存分に感じました。そこかしこで踊るグループがいて、彼女が「ここは惑星最高のパーティー」と語ったのも頷ける、多種多様な人々が入り乱れるハッピーな時間がそこにはありました。フジロックではREMI WOLFから続くホワイト・ステージの時間もたまらないものになりそうです!

    Peggy Gou – Murder On The Dancefloor (feat. Sophie Ellis Bextor) (Glastonbury 2024)

    本国イギリスだからこそ感じられたバンドの情感と気概

    土曜日の夕方にTHE PARKに登場したKING KRULEことArchie Marshallはシックでダウナーなトーンが印象的で、例えば拍手をするのも少し躊躇われるような張り詰めた空気が漂います。それはサックスやギターが醸し出すジャジーなUKインディーらしさでもあり、ちょうど会場内でも投票を呼びかける様々な表現を見かけた、次週に迫るイギリスの総選挙のことも無関係ではないのだろうと感じるものがありました。だからこそまだ小さい娘をステージに上げてみんなで手を振った一幕のほんわかした情感も際立っていましたが、最後に「fuck the ocupation, free palestine. fuck the uk government」と投げかけたように、国民の憂いを表象したような物悲しさを一身に感じるパフォーマンスでした。続いてTHE PARKのトリとして登場したFONTAINES D.C.もダウナーなトーンはKING KRULEと共通しつつ、荒々しいサウンドと立ち振る舞いで黙らせるようなバンドのオーラが溢れていて、まさに今のUKインディーを背負うような気概が存分に感じられました。

    FONTAINES D.C.(photo by Keiko Hirakawa)

    FONTAINES D.C.(photo by Keiko Hirakawa)

    日曜日の昼過ぎに2番目に大きいOTHER STAGEに登場したのは、期待度の高さを感じさせる盛り上がりを見せたTHE LAST DINNER PARTY。彼女たちは、サウンドや佇まいにはこれでもかと古き良き英国の情緒を漂わせ、小気味よく楽しんでいるようなパフォーマンスながら、同時にそのすべてが皮肉のようにも見えるのが絶妙なんですよね。最後には(思いっきり中継されてるにも関わらず)国営放送のBBCや英国政府へのプロテストをはっきり表明する姿にも胸を打たれたし、こういう姿は本国のフェスティバルだからこそにも感じられました。だからこそ、フジロックではどんなライブが観られるのかとても気になります!

    The Last Dinner Party – Nothing Matters (Glastonbury 2024)

    様々なジャンルが入り混じるグラストのフィーリング

    オーストラリアのシンガーANGIE McMAHONは、アコースティック編成のアクトを中心としたACOUSTIC STAGEに登場。同郷のCourtney Barnettを連想させる精悍で力強い姿で、繊細さと無骨な荒々しさが同居するギターストロークがとても様になっていて、“Letting Go”で高らかに叫んだ「it’s okay, make mistakes」というフレーズが、様々な体験が溢れるグラストの雰囲気とマッチしていてとてもよかったです。フジロックではどういう編成で来るのかも楽しみですね。

    ANGIE MCMAHON(photo by Keiko Hirakawa)

    ANGIE MCMAHON(photo by Keiko Hirakawa)

    5人のバンドセットで、グラスト第3のステージWEST HOLTSに登場したNONAME。かなりの人気っぷりで身動きが取りにくいほどでしたが、Thundercatなどのライブを思わせる芳醇な間を持った、エレガントな情感溢れるサウンドに身体も動き出します。かなり淡々と遊ぶようにラップを繰り出すスタイルの彼女は、ごく当たり前にさまざまな喜びが共生して溶け合ったグラストがよく似合っていました。ちなみにドラムのメンバーはカタカナで「ドジャース」と書かれたキャップを被っていて、アメリカで流行ってるんですかね?フジロックでもその辺も見てみるといいかもしれません。

    Noname – Diddy Bop (Glastonbury 2024)

    そして個人的にフジロックで一番観て欲しいのがKIM GORDONです。かなり怪しげで抽象的な映像と破壊的なくらい重いビートに、散文的な言葉の数々。ギターを構えたのに一切弾かない曲もあったり、ドライバーのようなもので弾いたりと、ライブというより現代アートのインスタレーションを観ているような感覚さえありました。かと思ったら荒々しくギターをかき鳴らしたりと、理性と衝動の統合とでも言いましょうか。40歳以上年下かというメンバーと奏でた彼女のステージは、「オルタナってなんだよ」ってことを問い直すくらいオルタナで、その若々しいパッションに圧倒されました。これはぜひホワイト・ステージの音響で観たい!

    KIM GORDON(photo by Keiko Hirakawa)

    KIM GORDON(photo by Keiko Hirakawa)

    メインステージ以外にも衝撃はいっぱい!

    公式アプリを見ると105ものステージがあるというグラスト。当然その魅力はあらゆるところに広がっています。ジョー・ストラマーをモチーフにした様々なアートやオブジェに彩られたSTRUMMERVILLEには、フジロックでパレス・オブ・ワンダーにも関わるCUMBIA KIDが登場。焚き火の近くで朝の空気を感じながら、小高い丘の上でゆったり感じるクンビア・サウンドは格別でしたね。そして兄のGAZ MAYALLが手がける深夜の遊び場ROCKET LOUNGEでは、転換時のDJを担当したGAZやRUBY FLASHMANが、オーディエンスの高まる気持ちを絶妙なDJプレイで盛り立てていました。フジロックでも、復活のブルー・ギャラクシーやパレスのようなこの雰囲気を今年も体感するのが楽しみです!

    CUMBIA KID(photo by Hitoshi Abe)

    CUMBIA KID(photo by Hitoshi Abe)

    そしてそのROCKET LOUNGEをはじめとして今年のグラストでも様々なステージに出演したUS!フロント4人の「前しか見ねえよ」みたいな佇まいがクールで、一曲ごとに深々とお辞儀をしたり、潔いくらいシンプルな足元もとても粋で痺れます。2回し目でもう歌えるキャッチーな歌と、初期のArctic MonkeysやThe Clash、はたまたTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのような浪漫が詰まったサウンドに、少年みたいな目で食らいついちゃいました。フジロックでも様々なステージでその熱量を届けてくれること間違いなしですね!

    US(photo by Keiko Hirakawa)

    US(photo by Keiko Hirakawa)

    他にも時間の関係で観られませんでしたが、グラストからはKENYA GRACEやSAMPHAが出演する今年のフジロック。世界最高峰のフェスティバルで見せてくれたパフォーマンスを、きっと日本の自然豊かなフジロックならではのかたちで表現してくれることでしょう。みなさん楽しみにしていてくださいね!

    text by Hitoshi Abe

    ◼︎フジロック出演日時・ステージ
    REMI WOLF / July 26 (Fri) 20:00-21:00 WHITE STAGE
    PEGGY GOU / July 26 (Fri) 22:00-23:30 WHITE STAGE
    KING KRULE / July 26 (Fri) 18:30-19:30 RED MARQUEE
    FONTAINES D.C. / July 28 (Sun) 18:00-19:00 RED MARQUEE
    THE LAST DINNER PARTY / July 27 (Sat) 13:00-14:00 GREEN STAGE
    ANGIE McMAHON / July 27 (Sat) 12:40-13:30 RED MARQUEE
    NONAME / July 27 (Sat) 18:00-19:00 RED MARQUEE
    KIM GORDON / July 28 (Sun) 20:00-21:00 WHITE STAGE
    CUMBIA KID / July 27 (Sat) 12:50-13:30 BLUE GALAXY / July 28 (Sun) 26:15-27:15 CRYSTAL PALACE TENT
    GAZ MAYALL / July 26 (Fri) 22:30-23:45 CRYSTAL PALACE TENT / July 27 (Sat) 22:30-23:45 CRYSTAL PALACE TENT / July 28 (Sun) 22:30-23:45 CRYSTAL PALACE TENT
    RUBY FLASHMAN / July 26 (Fri) 28:00-29:00 CRYSTAL PALACE TENT
    US / July 26 (Fri) 27:15-28:00 CRYSTAL PALACE TENT / July 27 (Sat) 15:00-15:20 GAN-BAN SQUARE /July 28 (Sun) 12:40-13:30 RED MARQUEE
    KENYA GRACE / July 28 (Sun) 23:15-24:00 RED MARQUEE
    SAMPHA / July 27 (Sat) 20:00-21:00 WHITE STAGE

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