• フジロックで衝撃的なステージを見せたd4vd 一夜限りの単独公演はもうすぐ!

    • 2023/11/13 ● News

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    今年のフジロックの海外アーティスト勢の中でも、次世代の表現者として高い注目を集めたd4vd(デイヴィッド)。彼のデビューEP『Petals to Thorns』を携えたワールドツアーの一環である日本公演が間近に迫った。12月6日、東京の恵比寿ガーデンホールでのライブは日本で一夜限りとなる。

    ライブ詳細はこちら
    https://smash-jpn.com/live/?id=3999

    フジロックの後、9月にはデビューEPの続編のようなEP『The Lost Petals』をリリース。収録曲の“Notes From A Wrist”はメンタルヘルスに悩む友人へのオマージュであることをリリースの際に明かしており、フジロックのライブでも披露した“Rehab”も含め、ジャンルに拘泥しないd4vdのアーティスティックな音楽性が堪能できる。フジロックのRED MARQUEEのステージでは50分に凝縮したライブを見せた彼。その様子をレポートで振り返ってみよう。

    d4vd |  FUJIROCK FESTIVAL’23 RED MARQUEE | July.29

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    にわかに日本でも知名度上昇中のd4vd。作品ではティーンエイジャーの傷つきやすい心をダークな世界観で描いているが、驚くのは彼が10代のアフロアメリカンだということだった。もちろん、フランク・オーシャン以降、インディーミュージックと共振するR&Bやヒップホップのアーティストは数多く出現したけれど、d4vdの場合、さらにシンプルなトラックでオーセンティックと呼んでいいほどメロウな作品を作ったり、インディーギターポップを作ってきたからだ。それは彼が特定のシーンに関わらず、iPhoneの音楽制作アプリでトラックを作り、歌は妹のクローゼットで録音するという、ベッドルーム、もしくはゲーマー界隈の住人だったからに他ならない。

    だが、プロップスが上がって以降、というか、ファンを目の前にしたライブを積み重ねるごとに、フィジカルに重きを置いたライブをするようになったんじゃないかと思うのだ。ステージにはドラムセットとキーボード、ギター。サポートミュージシャン2名とともに、生音も存分に入ったトラックに乗せてアクトする。1曲目の“You &I”ではパンク/ハードコアのボーカリストのように動き回り、フジロックに出演したことが相当嬉しいようで、アクセントもバッチリの日本語で「行くぞ!」と煽る。この辺り、日本のアニメでそのトーンに親しんできたからかもしれない。立て続けにモダンなラウドロックテイストの“Bleed Out”では何とバク宙まで披露する身体能力の高さ。ファルセットのロングトーンがグラマラスな“Placebo Effect”と、激しいアクションで初見のオーディエンスを引き込んでいく。

    序盤のトップギアから、どちらかというと本領発揮なミディアムからスローの、じわじわ迫ってくるナンバーを続けて披露していく。悲しげなアコギのアルペジオが心象を表すような“Don’t Forget About Me”、さらに内省的で、しかし彼を象徴するような“Sleep Well”と、序盤のテイストとは相当な振り幅を見せながらライブは進行。そして、海外のライブでも披露していた新曲“Rehab”では再びクランチなギターが空間を刻み、8ビートがさまざまなオーディエンスを鼓舞していく。フロアの熱気が彼に送り込まれているようで、着ていたシャツを脱いでオーディエンスに投げ込んだ。

    ◾️d4vd-REHAB(Live from Fuji Rock Festival Japan)

    1曲終わるごとに感謝を述べたり、日本に来れたことに感激を隠せなかったり、曲の説明をしたり、ライブ全体の流れや演出より、生身で今ここにいる人に対峙することを優先するようなステージ運びを見せるd4vd。その方向性もライブパフォーマンスも今後まだまだ変わっていくかもしれないポテンシャルを感じさせるものだった。

    終盤も彼の持ち味である深く耽溺するような曲を連ね、ラストはd4vdの存在がクローズアップされた“Romantic Homicide”で締めくくり。当初、インスタグラムのストーリーにアップしたところ、1日で120万回再生されたこの曲がいかに同世代の心を掴んだか。失恋という、人格や人生に大きな影響を及ぼすテーマももちろんだけど、これからの彼が何を音楽の中で描いていくのか?すでに気になり始めている。

    写真入りレポートはこちら
    http://fujirockexpress.net/23/p_1654

    + + +

    フジロック以降も世界各地でショーを続けているd4vd。一躍、注目されるようになった現在の心境や、自身のバックボーンを語るSpotify制作のミニドキュメントも興味深いので、彼のパーソナリティに興味のある人は視聴してみてほしい。

    ◾️d4vd-The Mini Documentary(Presented by Spotify)

    マイクを握り、初めて人前でパフォームしたのが今年のはじめ。フォートナイトを通じて作品を世に放ち、瞬く間に想像を絶する膨大なリアルなリスナーに触れてまだ1年を経過していないd4vdという才能。今回の来日公演は2023年を象徴するライブになるはずだ。

    Text by 石角友香
    Photo by 白井絢香

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