• CORNELIUS | KEEP ON FUJI ROCKIN’ Ⅱ


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    スタイリッシュにゆく年くる年

    コロナ禍に翻弄された2020年のライブ納めはCORNELIUSだった。さまざまなものが重くのしかかった状況で無観客開催を余儀なくなされた今回のライブであったけど、そうしたものを背負わない、いつものCORNELIUSをみせてくれるはずなのがCORNELIUSなのである。

    CORNELIUSが始まる時間が来ると、画面にはまず抽象的な波形がでてきて人やマイクなど、さまざまに変化していく。しばらくして、メンバーたちが演奏しているシルエットが映しだされた。フロアとステージの間を幕で隔ててそこに映像が投影されるのがCORNELIUSのライブにおける定番となっている。2002年にフジロックのホワイトステージに登場したときにも、すでに映像と演奏をシンクロさせた演出をおこなっていて、今に至るまでブラッシュアップしてきた。

    オープニングから「いつか / どこか」へ。小山田圭吾(ヴォーカル、ギター)をはじめ、堀江博久(ギター、キーボード他)、大野由美子(キーボード、ベース)、あらきゆうこ(ドラムス)のメンバーが鮮明に現れると男性はジャケット、女性はブラウスに細いリボンタイを着こなしたオシャレなバンドの姿があった。スクリーンにローマ字で映しだされた寂寥感を覚える歌詞を淡々と演奏する一方で、テクノロジーを駆使するのに、リズムは人が生みだしている印象が強く、小山田によるギターがサウンドの中では一番目立つ。人による演奏にこだわり、淡々とした姿なのに、徐々に熱を帯びていくという矛盾したものを両立していくスリリングさがある。

    生活感あるCMをコラージュした“Another View Point”、ハードに攻める“Count 5 or 6”や“Gum”、シューゲイザー的なノイズも聞こえる“Surfing on Mind Wave pt2”、実験的なファンク“Fit Song”など、ポップさとアヴァンギャルドの危ういバランスの上に立ち、洗練された姿でみせるのは、バンドの安定した演奏力、表現力が土台にあってこそ。今回配信されたライブが単に演奏する姿の記録・中継でなく、ひとつの映像作品として成り立つところをみせたのは20年以上の積み重ねがあり、ベテランの「貫禄」という言葉……フリッパーズ・ギターを解散させ、CORNELIUSを始動したころには似合わないと思われた言葉を使いたくなるのだった。

    METAFIVEの曲としてリリースされた「環境と心理」、ラストの「あなたがいるなら」は淡々とした演奏に還っていく感じ。同時に「コロナ以後」の世界に個人はどうあるのかを映した言葉が並べられているとも思える(もちろん「あなたがいるなら」は2017年の作だからコロナ禍に影響されたものではないけど)。コロナ禍を背負わないと思っていたけど、結果的にコロナ禍の中で生きる人々の姿を映してしまう。アーティストは時代とは無縁でないこと、アーティストは時代をキャッチしてしまうことを感じさせるのであった。バンドが去るときに小山田圭吾が「皆さんよいお年を」と一言。2021年まであと20分であった。

    SETLIST

    Opening (Mic Check ver.)
    いつか / どこか
    Point of View Point
    Audio Architecture
    Another View Point
    Count 5 or 6
    I Hate Hate
    Surfing on Mind Wave pt2
    夢の中で
    Fit Song
    Gum
    環境と心理
    あなたがいるなら

    Text by イケダノブユキ
    Photo by 白井絢香

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