• カネコアヤノ | KEEP ON FUJI ROCKIN’ Ⅱ


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    どこまでも届く、カネコアヤノの強い強い愛の歌にやられた!

    2組目に登場したのは、近年注目を集めているシンガーソングライターのひとり、カネコアヤノだ。サポートメンバーと輪になり、少しはにかむカネコの合図で、確かめるように演奏がはじめられる。軽やかなギターのリフと、リズミカルなドラムの音が印象的な“アーケード”だ。
    彼女の声は、音源と聴いた場合とまた異なる印象を持つ。小さな身体のどこにそんなパワーがあるのかと疑いたくなるほど、力強いのだ。そのどこまででも届いていきそうな声に、一瞬で魅了されてしまう。グッと心が掴まれる。どうしても夢中になって聴き入ってしまうのだ。もう1月もすぐ目の前に差し迫った時期だというのに裸足で、綺麗に切り揃えられた髪を振り乱しながらギターをかき鳴らす姿は、雄々しくも勇ましくもあった。

    ゆったりとした曲調にコーラスが印象に残る“かみつきたい”と重なる2本のギターにうなるベースラインをアクセントとした“爛漫”は、そろそろ日も暮れ、しっとりとした雰囲気が大晦日にはぴったり。いつも以上に生活の変化があった2020年が終わっていく。画面越しでも空気の震えがわかるほどの彼女の美しい歌声やメンバーたちと楽しそうに演奏する姿は、2021年に向けた小さな希望のようにも感じられて、なんだか泣きそうになってしまう。

    本村拓磨(Ba/Gateballers、ゆうらん船)がウッドベースに持ち替え、演奏されたのは先月リリースされたばかりの“腕の中でしか眠れない猫のように”。「待ってました!」とばかりに、コメント欄も次々とメッセージが入力される。ライブだったら、ここできっとたくさんの歓声が上がっていたんだろうな。目を大きく見開きながら、全身で強く強く愛を歌う。
    まっすぐに裏声の響く“花ひらくまで”、「次の夏には 好きな人を連れて」というサビが印象的な “光の方へ”では、どうしても苗場スキー場で行われるいつものフジロックを想像してしまう。あの大自然のなかで、彼女のパワフルな姿はどんな風に映るのだろう。声は、どこまで届いていくのだろう。

    “愛のままを”では、最後の最後まで力を振り絞り、感情いっぱいに歌いきるカネコの姿には、最後まで目が離せなかった。終わりにはぴったりの、まるでエンドロールを見ているような贅沢な締め括りだった。
    50分、全11曲のステージに、MCは一切なし。正々堂々とステージに立ち、演奏を通じて強い感情を残す彼女の姿は、配信ライブながらも大きなインパクトを与えたのではないだろうか。2019年、2020年に行われた ツアー「燦々」は全公演ソールドアウト。広い空間に響き渡る彼女の歌声を、来年こそはこの身体で感じたい。

    SETLIST

    アーケード
    かみつきたい
    爛漫
    ごあいさつ
    朝になって夢からさめて
    腕の中でしか眠れない猫のように
    花ひらくまで
    ぼくら花束みたいに寄り添って
    光の方へ
    グレープフルーツ

    Text by あたそ
    Photo by 白井絢香

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