フジロックを彩るアートの世界!〜Vol. 1ゴードン編〜
- 2019/07/20 ● Interview
─ ゴンちゃんの他にフジロックで関わったものはどんなものがありますか?
たくさんある!最初はインフレータブルのアートを担当していたんだけど、メインで担当していたのはボードウォークに置く、インスタレーション(*)作品を手がけていたんだ。
*展示空間を含めて作品とし、見ている観客がその「場」にいて体験できる芸術手法
ボードウォークはインスタレーション作品を製作するにはとっても創造心を掻き立てられ、気に入っている場所なんだ。
─ そういえばこのマンションに昔パンク・ロックのパイオニアのジョー・ストラマーが住んでいたって話ですけど、彼のコンピレーションアルバム『JOE STRUMMER001』もゴードンが監修していますよね?
そうなんだよ。このアルバムはザ・クラッシュ時代以外での彼のキャリアを集めた作品なんだ。彼が亡くなった時、彼の作品をアーカイブする手伝いをしていたんだ。そして家族の気持ちの整理がついた数年後、彼を愛してくれたファンにもこれを共有しようということになったんだ。
─ 日記のような構成が面白いなと思ったんですが、どれくらいかけて製作したんですか?
2年くらいかな。すごく時間をかけて作ったよ。自分のキャリアを振り返ってもとても大きなプロジェクトだったと思う。プロデューサーとしての全体構成や選曲、マスタリングまでやったかな。オリジナルテープを手荷物で運ぶのに4回も行ったり来たりしたっけな。運送もできたんだけど、どうしても大事なものだったから自分の手で運びたくてね(笑)でもファンの人に喜んでもらえてとっても嬉しいよ。ジョーは本当に日本が好きでね、フジロックにも一緒に行ったこともいい思い出だよ!
─ 他にもみんなが驚くような過去の作品って何かありますか?
そうそう、思い出した。1997年第一回目のフジロックの時、Aphex Twinのステージに作った小さな家を作ったよ(笑)Aphex Twinはその小さな家の中でパフォーマンスしてさ。突然彼からステージ上に家が欲しいというリクエストがあったから、直前の木曜日の朝から急いで作り始めたんだ(笑)
─ ステージに家って面白いですね。観客の反応はどうだったか覚えてます?
想像してみてよ。ステージ上になぜか登場した家。何事もなかったかのように始まるステージ。終わり15分くらいかな、やっとAphex Twinがその家から外に出たんだ。だから観客が彼のことを目視できたのはたった15分くらいだったんじゃないかな(笑)面白かったよ。今までこれを僕が作ったってことは誰も知らないんじゃないかな。僕のフジロックでの初めての仕事。まさかAphex Twinの家を作るなんて、本人が一番想像もしてなかったよね(笑)
─ フジロックの準備って毎年どれくらい前から始めてるんですか?
朝霧が終わってその年の12月にはもう翌年に向けた準備は始めているよ。そして翌1月の終わりには、大体のコンセプトは固まってるかな。去年より、より良くするために、より楽しくするためにはどうしたらいいんだろうといつもワクワクしながら考えてるよ。去年がベストだとしたら、じゃあ今年はスーパーベストを目指しているんだ(笑)
─ じゃあ今年ももう準備満タンですね!最後にフジロッカーにメッセージをお願いします!
じゃあみんなにお願いを一つ。ゴンちゃんを可愛がってくれるのはとっても嬉しいけど、日曜日まではゴンちゃんたちもフジロックに参加させてあげてほしいんだ。さっきも言ったけど、ゴンちゃんはフェスティバルに参加する人々を表現したもの。最後まで一緒に楽しみたいと思うんだ。だから日曜日の午後までは待ってあげてね!Enjoy! Have a wonderful Festival! From Gordon
いかがでしたでしょうか?ゴードンがこれまで手がけてきたフジロックの功績や作品にかける思いを知って、作品の見方が変わるとともに、フジロックが温かい作品に囲まれた素敵なフェスティバルだなと思いました。
ゴンちゃんも、みなさんと同じフェスティバルを楽しむ仲間。ぜひ最終日まで一緒に楽しみましょうね!
Interview & Text by Masako Yoshioka