フジロック1日目はフレディ・マーキュリーと一緒に「エーオ」!「富士映劇」で『ボヘミアン・ラプソディ』上演決定
- 2019/07/11 ● from fujirockers.org
フジロックでは、毎年「富士映劇」としてアウトドアで映画が上映される。場所はホワイトステージ近くの「ところ天国」と呼ばれる川沿いのエリアで、深夜に映画はスタートする。今年、7月26日金曜日の23時40分ころから上映されるのは、世界中で大ヒットした『ボヘミアン・ラプソディ』だ。
『ボヘミアン・ラプソディ』を観た人も多いとは思うけど、一応おさらい。
2018年日本興収No.1ヒット!第91回アカデミー賞4部門受賞!伝説のバンド<クイーン>の感動の物語。世界を熱狂させたバンド<クイーン>の伝説のボーカリスト、フレディ・マーキュリー。45歳で死去した彼の波乱万丈な人生を名曲とともに描く感動のミュージック・エンターテイメント! 音楽総指揮は2020年に来日公演も予定されているクイーンの現メンバー、ブライアン・メイとロジャー・テイラー。フレディ自身の歌声を使用した28の名曲が鮮やかに甦る! 上映されるのは劇場版と同じ本編。【135分】
Bohemian Rhapsody | Official Trailer
注意! ネタバレを含みますので、まっさらな気持ちで『ボヘミアン・ラプソディ』を観たい人は、ここから先は読まないでください。
今回フジロッカーズオルグでは、『ボヘミアン・ラプソディ』にハマって映画館で31回鑑賞、フジロックでの上映決定のニュースにガッツポーズしたFUJIROCK EXPRESSの平川カメラマンにその魅力を聞く。聞き手は、映画館で1回、野外応援上映を1回体験したライター、イケダノブユキです。
─ まず、『ボヘミアン・ラプソディ』の魅力は?
『ボヘミアン・ラプソディ』はストーリーもキャラクター描写も良くまとまっていて、エンターテイメント性も充分。クイーンを知るための入門編として最高の作品ではないでしょうか。クイーンになじみのない世代はこの映画のおかげでクイーンを発見できたし、リアルタイム世代は在りし日のクイーンの追体験ができる。ストーリーが実際のバンドヒストリーと異なる点さえも、本当はどうだったのか? と調べるきっかけや、話のネタになりますね。
─ この映画はクイーンの結成からメンバー間の不和、バンドの絆に立ち返ってライブエイドのステージに立つまでの話を描いています。その中には「バンドあるある」、例えば人気あるヴォーカリストが調子に乗ってソロアルバム、地味なベーシストなどがあって多くのバンドに関わっている人に共鳴しやすい話が満載です。約2時間の中にバンドヒストリーを詰め込んだので、時系列の違いとかよく指摘されているけど、ラストまでの推進力がすごくて気にならないですね。
自分の天分を生きたフレディ・マーキュリーの半生を、実力派のラミ・マレックが天分で演じきったところも見事です。ライブエイドの再現具合などのディテールもかなり凝っていて、本物に限りなく似ているブライアン・メイやジョン・ディーコン、脇役のキャスティングにも本気を感じます。
─ ラミ・マレックはフレディに似てないけど、観終わるとフレディを演じるのは彼しかいないと思わせる名演。フレディの生涯の恋人であるメアリー・オースティン役のルーシー・ボイントンは『シング・ストリート 未来へのうた』のヒロインだったけど、こんなに美人だったかと驚いたくらい。ところで、応援上映の魅力とは?
周りのお客さんが好きな映画で盛り上がっている雰囲気が好きで、コスプレ、拍手、手拍子、声援、合唱がOKな応援上映に通っていました。成田HUMAX、川崎チネチッタ、立川シネマシティなどのライブシーンをスタンディングで観られる上映館の応援上映はとても人気があり、チケットを取るのが大変でした。平日夜のシネコンでの応援上映も仕事終わりに気軽に寄れてよかったです。スクリーンX(3面スクリーン)で上映されたユナイテッド・シネマ・アクアシティお台場の応援上映も上映期間終盤は立てるようになって、コスプレイヤーの方々とコール・アンド・レスポンスで盛り上がりました。コアなリピーター向けのイメージがあるかもしれませんが、映画が始まってしまえば場内は暗いですから歌っても歌わなくても、基本的なマナーさえ守ればどのように観ても自由です。フジロックでも応援上映のような盛り上がりが期待できますね。
─ 応援上映の盛り上がるポイントは?
フジロックではわかりませんが、応援上映でのライブシーンは英語の歌詞の字幕が表示されて、いっしょに歌えました。最後のライブエイドのシーンは、歌ったり拍手をしたり、立って観ると本当にウェンブリー・スタジアムのお客さんといっしょにライブを体験している気分になれます。ストーリーの中では、必ず笑いが起こるポイントがいくつかあり、お客さんからはマイアミとディーキーに声援が飛ぶことが多かったです。
─ 「マイアミ」はクイーンのマネージャーであるジム・ビーチのあだ名ですね。応援上映ではフレディがあだ名をつけるシーンで「マイアミ!」とかけ声をかける人もいる。ディーキーはジョン・ディーコンのあだ名ですね。また、よくみるといろんなところに小ネタがありますね。
随所に小ネタが仕込まれているので、映画館に通い初めの頃は、ネットでネタを調べて、上映後に気づいた点をメモしていました。
─ 冒頭のライブエイドのステージ裏でU2らしきメンバーとすれ違うシーンとかも「おおっ!」となるし、アダム・ランバート(現在のクイーンのヴォーカル)がカメオ出演しているのも話題になりました。
アダム・ランバート以外も、ブライアンの娘さん、ディーキーの息子さん、ロバート・デ・ニーロ……が出ています。本物のブライアンとロジャーもスクリーンXでしっかり映っていました。 映画が始まって一番最初に大きく映る、フレディの右手にも注目していると、終盤になってハッとします。本当に何気ないシーンもよく作り込まれています
─ 印象に残っている応援上映は?
4月7日の川崎チネチッタですね。この日は川崎で大道芸フェスティバルが開催されていました。川崎駅からチネチッタに向かう途中ではフレディものまね大道芸人・フレディーノさんのパフォーマンスが観られて、応援上映が終わった直後に、映画館の入り口にあるステージでクイーン公認トリビュート・バンド、QUEENESSのライブが始まったんです。街のフェスティバルと応援上映を連動させた計らいが粋ですよね。応援上映のお客さんは、ほとんどQUEENESSのライブに足を止めて、すごく盛り上がりました。
─ 応援上映に来ていた面白い人はいました?
オペラ歌手かな? って思うくらい歌が上手い男性がいました。その人の歌声だけとても響いて、上映後に他のお客さんがその人に声をかけて褒めてましたね。コスプレイヤーは大抵複数の映画館で同じ方々を目撃しました。
─ “I Want To Break Free”のPVでロジャー・テイラーが女装しているのですが、そのコスプレをしている女の人がいたのを自分は野外応援上映でみました。
“I Want To Break Free”のロジャーはかわいいですから、女性のコスプレイヤーに人気でした。アダム・ランバートが演じていたトラック運転手や、パーティーのシーンに映る招待客などのマニアックなコスプレの方もいて、ニヤリとさせられました。パーティーといえば、シャンパングラス持ち込みで、フレディと一緒に乾杯する人たちも出現しました。
─ フジロックではどうなってほしいですか?
上映時間が2時間以上あるので、観られるところから気軽に寄ろうと思っています。でも1時間と少し経過したあたりで流れる”We Will Rock You”にはできれば間に合いたいですね。最後のライブエイドのシーンはフレディと一緒に歌えたら最高。私はクイーンTシャツ着用で、サイリウムを持って行く気満々です!
─ 「予習」をするならやっぱりライブエイドを観ておいた方がよいでしょう。映画では何曲か省略されているけど、この流れを観ておけばラストでぶちあがること間違いなし。
FUJI ROCK FESTIVAL ’19 「富士映劇」情報
河原沿いのアウトドア・シアター富士映劇。今年もフジロックならではのチョイスで上映します!
■ 7/26(金)
『ボヘミアン・ラプソディ』 23:40頃~上映
■ 7/27(土)
『男はつらいよ』 23:40頃~上映
『ハーツ・ビート・ラウド ~たびだちのうた~』 25:20頃~上映