最高のトリビュート・バンド!「原始神母 ~PINK FLOYD TRIPS~」を観よう!
- 2017/04/27 ● from fujirockers.org
原始神母 ~PINK FLOYD TRIPS~(以下原始神母)がフジロック1日目(7/28金曜日)にでるということで、興奮している人は少ないだろうが、これはかなりの事件である。おそらく原始神母を知らない人が多いと思うので、このバンドのすごさを伝えたいと思う。
ピンク・フロイドというバンド
まず原始神母はどんなバンドかというと、もともとは「ピンク・フロイド・トリップス」といい、「ピンク・フロイドをトリビュートする(主に)日本人ミュージシャンたちのバンド」である。
では、まずピンク・フロイドとはなんぞや、というところから始めないといけない。だけど、長い歴史と大きな影響を語るだけで3日くらいかかりそうなので、ヒストリー的なものやデータ的なところは「ピンク・フロイド」で検索してもらおう。
ざっくりいうと、「人の不安や疎外感を緻密かつ壮大な音楽で表現したバンド」である。そうした表現はすでにビートルズやドアーズなどが始めていたけれども、ロックの表現として定着させたといえる。そして、その一環で「どこまでがロックなのか」を実験していったバンドでもある。クラシックや現代音楽を取り入れたり、日常生活の音を取り入れたり。極論すれば、ピンク・フロイドがこのように「不安や疎外感」「実験精神」で地ならししたおかげでレディオヘッドも育つことができたのだ。
名作は? というとシド・バレット期、初期、中期、後期とそれぞれに代表的な作品があるし「みんなは挙げないけど俺はこれが好き」といろんな作品が挙がるバンドであるので簡単にいえないけど、
『夜明けの口笛吹き/The Piper at the Gates of Dawn』
『狂気/The Dark Side of the Moon』
を挙げておく。中でも『狂気』は、『原子心母』のアルバムにでてきた「疎外感」や「日常生活の音を曲に取り入れる」ことがより明確になり、「お金」や「時間」が現代人を不安にさせ疎外感をもたらすのだと歌い大ヒットした。
原始神母とは
というわけで原始神母とは? に入りたい。「(主に)日本人メンバーによるピンク・フロイド完全コピーバンド」ということは冒頭に触れたけど、メンバーがすごい。まずギターがレッド・ウォリアーズなどで活躍した木暮”shake”武彦、ベースは去年のフジロックで「ひとりピンク・フロイド」として出演した扇田裕太郎、キーボードは多くのミュージシャンのサポートをおこなっている三国義貴と大久保治信、ドラムもサポートで活躍する柏原克己、リード・ヴォーカルはアメリカ人のケネス・アンドリュー、コーラスにラブリー・レイナと冨田麗香。合計8人である。メンバーの入れ替わりはあるものの、活動期間も長くなっているので、バンドサウンドの安定感は十分にある。
原始神母の魅力
シド・バレット在籍時の曲から『ザ・ウォール』あたりまでの曲を並列されるのは、ピンク・フロイドのファンが夢みた「全時代からベスト選曲」(まあ、ギルモア・フロイドは除外されていますが……自分は好きです)を目の前で繰り広げられているという高揚感がある。『狂気』の完全再現に挑戦したり、シド・バレット期を重点的に取り上げたりもする。
自分は何回かライヴを観ているけど、観る度にピンク・フロイドへの愛情の深さを感じ、またピンク・フロイドのすばらしさを改めて確認する場になっている。ピンク・フロイドが初めて日本に来てライヴをおこなったのは箱根の山の中だった。苗場の山の中というふさわしい場所で繰り広げられるピンク・フロイドの壮大な世界を多くの人たちに体験してもらいたい。
姉妹サイトであるSmashing magでは、何度もライヴレポートをおこなっている。このバンドが安定感ありながら、徐々にその世界を拡張させていっていることがわかると思う。
ライヴレポート
@渋谷O-west 2013.08.06
@東京キネマ倶楽部 2014.10.23
@東京キネマ倶楽部 2015.08.29
@クラブチッタ川崎 2016.10.22
オフィシャルサイト
http://pinkfloydtrips.com
原始神母 〜 PINK FLOYD TRIPS 〜 2017
2017/5/13(土)心斎橋 THE LIVE HOUSE soma
PINK FLOYD 50th Anniversary Special Vol.1
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Syd Barrett Night / STANDING GENSHI-SHINBO !!
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2017/5/26(金)渋谷 TSUTAYA O-nest
PINK FLOYD 50th Anniversary Special Vol.3
70′s Prog’ night!!
OPEN/START 18:30/19:00 ※SOLD OUT
文:イケダノブユキ
写真:平川啓子