週刊フジ 〜初フジロック編②〜
- 2016/06/22 ● 週刊フジ
初めてのフジロックのことを思い返すと、真っ先に出てくるのは雨と寒さで死にそうになっている自分の姿だ。
初めてのフジロックのことを思い返すと、真っ先に出てくるのは雨と寒さで死にそうになっている自分の姿だ。
2005年当時、私はハタチの大学生だった。初めてのフジロックがあまりに楽しすぎて、前夜祭から二日目の夜まで寝る間も惜しんでガンガンに遊び倒していた。その年は例年以上に雨が多かったのだけれど、私の服装はTシャツ、パーカーに安価なレインウェア。そして、足元はスニーカーという超軽装。
当然豪雨にやられて全身はずぶ濡れ、靴は水浸し。夜には気温がぐっと下がって、歯の根が噛み合わないほど凍える羽目になった。前夜祭からほぼ寝ずに遊び回っていたので体力も限界に近く、テントまで帰ることもできずに深夜のレッドマーキーで電池切れした。ステージの後方で入場ゲートでもらったゴミ袋にくるまって、冷たいコンクリートに横たわり、意識が途切れては戻っての繰り返し。今思い返してもつらい経験だった。
それ以来私はどのフェスに行く時も用心深いまでに雨・寒さ対策をしている。衣類やホッカイロを大量に、靴はトレッキングシューズと長靴の両用、ゴアテックスのレインウェアの上下に加えてポンチョも持っていく。ちょっとやりすぎかもしれないけれど、でもやりすぎなくらいでいいと思っている。せっかく楽しいことが山ほど起こっているフェス会場にいるのに、寒さと雨で心が折れて動けないなんて、そんなもったいないことはない。今年初めてフジロックに行く人は、私のような失敗はしないように万全の準備で苗場に向かってほしい。そうすればきっと楽しい思い出でいっぱいの初フジロックになると思う。
Photo by Masami Munekawa
Text by 山本希海
「週刊フジ」はフジロッカーズオルグのスタッフがそれぞれの観点で、フジロックへの思いを綴るコラムです。毎週水曜更新!一覧はこちら。