週刊フジ 〜分析編②〜
- 2016/05/04 ● 週刊フジ
フジロック・エキスプレスのスタッフとして取材をしてみて、一番驚いたのは「お客さんのノリのよさ」である。とにかく、遊びに来ている人がみんな取材に対してとても好意的なのだ。「あ、取材はちょっと…」なんて人には、ほとんど会ったことがない。
フジロック・エキスプレスのスタッフとして取材をしてみて、一番驚いたのは「お客さんのノリのよさ」である。とにかく、遊びに来ている人がみんな取材に対してとても好意的なのだ。「あ、取材はちょっと…」なんて人には、ほとんど会ったことがない。
僕は普段、雑誌を作る仕事をしていて、街中でファッションスナップを撮るという取材なんかも少なくない。しかし、どれだけ腰を低くして「○○っていう雑誌の取材なんですけど、よろしければ写真を撮らせていただけないですか?」とお伺いを立てても、「ごめんなさい…」と素っ気なく断られることの方が圧倒的に多い。無視されるなんてこともザラだ。
一方、フジロックでは、みんなとても快く取材に応じてくれる。取材を申し入れて邪険に扱われたことはないし、頼んでもないのに「写真すか? 服、脱いじゃいます?」なんてノリノリで言ってくれる人も珍しくない。
この違いは何なのだろうか。環境とか、テンションとか、お酒とか、いろんな要因は考えつくが、これはもう「フジロッカー達が苗場で起きるすべてのことを楽しもうとしている」と理解するほかないんじゃなかろうか。フジロックフェスティバルにはそういう人が集まっているんだ、きっと。
不思議なもので、そういう人達と話していると、こっちまで楽しい気分になってくる。客観的に「楽しそうですねー」と思うのではなく、「楽しいよね!わかる、わかる!」という気持ちになるのだ。これは取材者として正しい姿勢ではないかもしれない。だけど、とにかく楽しむことに積極的なフジロッカー達に会えるかと思うと、今年の苗場も楽しみでならない。
Text by 阿部光平
Photo by アリモトシンヤ
「週刊フジ」はフジロッカーズオルグのスタッフがそれぞれの観点で、フジロックへの思いを綴るコラムです。毎週水曜更新!一覧はこちら。