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メタモルフォーゼのはじまりとこれから DJ MAYURIインタビュー前編

成熟期を迎えたフェスティバル文化。今や洋楽邦楽だけでなく、各音楽ジャンルに特化したフェスなんてものも当たり前に住み分けができるようになり、僕らの色々な趣向に沿って行くフェスを選べるといういい時代になりました。で、その歴史をたどるとおそらく最初に「ジャンルの特化」を実現させたのはメタモルフォーゼ(以下メタモ)になるんじゃないか、と僕は思います。

テクノ・ダンスミュージックの祭典として2000年に誕生。その一晩限りの宴には、お客さんはもちろんアーティストも賞賛の声を上げます。日本に新しい風を吹き込んだフェスの12回目、9月3日の開催を前に、主催者のDJ MAYURIさんにお話を伺いました。まずは前編ということで、メタモの成り立ちと今年のラインナップについてお話を伺います。

■原体験はセカンドサマー・オブ・ラブ

Photo c2009 Douglas Allsopp

 

DJ MAYURI(以下M): 87年にイギリスに行ったんですけど、その年の冬くらいからアシッドハウス、4つ打ちブームみたいなのが始まって、さらにその翌年からはセカンドサマー・オブ・ラブっていうレイブカルチャーが華開いた感じですね。もうすごく楽しくてしょうがないという感じでした。KLFとかFabioなんかがよかったかな…。それで夏はずっと野外、冬もクラブばかりみたいな…。それを体験したあと91年に日本に戻りDJを始め、パーティーオーガナイズもその半年後に始めました。ODYSSEYというパーティを3年くらいやって、それから95年に伊豆で3日間のレイブ(TRIBAL PLANET)を開催しました。

――フジロックよりも前から野外音楽イベント文化っていうのが日本にあったんですね。

DJ MAYURIさん。メタモ等ビッグパーティーをオーガナイズしたという実績とは裏腹に、非常に穏やかな方 Photo By Yusuke Kitamura

M:野外の文化はフジロックよりも前からありましたね。当時の私は今で言うサイケで…まあ当時はゴアトランスって言っていたんですが、ゴアトランスカルチャーは野外がメインのものなので、日本でもそういう人達が野外パーティを小規模ですがやっていました。90年代初期のサイケのレイブはほぼ仲間内の規模で、大きくなっていったのは95年のレインボー2000あたりからかな。それ以前は集まっても100〜300くらい。私のODYSSEYは3日間やって述べ1000人くらいでした。

――開催からしばらくは野外での開催はなかったですね。その間は何をされていたんですか?

M:ODYSSEYのあと、96年からはずっとマニアックラブなどクラブでDJと、あとたまに自分でイベントをやるという程度になっていました。TRIBAL PLANETがすっごく大変で、「もうしばらくオーガナイズから手を引こう」って(笑)

――その気持ちが一変(?)して、2000年を迎えメタモ開催という展開になります。

M:以前やったTRIBAL PLANET、私たち運営側はすごく大変だったんです、雨も降ったし。そんな中でお客さんも大変だったと思うんですが、終わってからずっと会うたび「またやってくれ」「またやってくれ」っていう色んな人からのアンコールが続いていたので(笑)朝霧の横のあたりにもちや遊園地っていう小さな遊技場みたいなところなんですが、そこを会場に、第1回目のメタモを開催しました。

――そしてテクノ、ダンスミュージック主体のフェスが始まったと。

M:その頃の野外って、サイケとロックしか無かったんです。それで、私はテクノDJだったので「違うジャンルの音楽がほしいな」と思い、自分でやろうと思ったんです。で、もちや遊園地から場所を日本ランドに移して2回目、3回目…と続きます。日本ランド、2003年にやった時に赤富士が出たんです(富士山が朝焼けに照らされて紅く染まる現象。滅多にない)!よかったですよ、「ホントに赤くなるんだな…」って思いましたね。その次の年からは日本ランドの方針が変わり園内に小さい動物園ができたので夜中に音出せなくなって…で、そこから色々探したのですが、その時点で、うちの規模でオールナイトのフェスができる会場が苗場くらいしかなく、うちの設営業者が苗場プリンスの仕事をしていた関係で紹介して頂いたのですが、フジロックの方々が苗場側に「メタモルフォーゼはうちの仲間」と説明して頂いたらしく、そのおかげで、とてもスムースに開催できました。同じ会場でほかのフェスが増えることは、あまり快く思わないのが普通ですが、フジロックさんの懐の深さに本当に感謝しています。その後、もともと目を付けていたサイクルスポーツセンターで開催できるようになり、今に至っています。

■数年越しのオファーの実現も。出演アーティストの紆余曲折

――そして今や10回以上も続くフェスになったと。これまで呼んだ中でベストアクトを決めるとしたら誰になりますか?

M:うーん、結構あるんですけど…05年のGALAXY 2 GALAXY(以下G2G)が記憶に残っています!あとManuel Gottsching、GREEN VELVETやTortoise…あとSoundtribe Sector 9もよかったなー。国内だと昨年のspiritual state ensemble with nujabes spirit(交通事故により逝去されたnujabesさんのトリビュート)は…よかったです。SHINGO2とかクラムボンとか色々な方が彼の不在をサ ポートする形で…グッときましたね。

M:クラムボンは一昨年にも出て頂いていましたね。これすごい血縁関係だなと思うんですけど、ミトさんとnujabesさんてご親戚関係らしいんです。去年もクラムボンにはnujabesさんが亡くなる3日前くらいに 「今年も是非」って話をしていたんですが、お亡くなりに…それで「こういう形でやりたい」とお話しして、あのバンドが実現しました。

――今年のラインナップに目を向けます。まずはヘッドライナーにTHE FLAMING LIPSが決まりましたね。あの会場でものすごい演出が…って思うとかなりテンションが上がりますね!

Photo By eyespyeyes

M: そうなんです。今年はなんといってもTHE FLAMING LIPS。彼らにはずーっとラブコールをずっと、ずーっとずーっとずーっと…3年ぐらいなのかな、やっとなんです。決まった今となってはサイクルスポーツセンター の会場でどういう演出ができるかっていう調整がすごく大変ですけど(笑)こういった長年のラブコールの実現、っていうのはいっぱいいますよ(笑)これまでもMogwaiが5年ぐらい、マヌ エルやG2Gも3年ぐらいかかっています。

 

――国内勢は昨年出演した七尾旅人さん、海外は先ほども「ベスト」と仰っていたG2Gが決まっていますね。

M: 七尾旅人は昨年出た時、朝方の彼は本当にすごくいい感じだったのですが、今年はさらにいつもと違ったライブになると思うので期待していてください。G2Gは、震災のニュースを聞いて「今年は何か 日本にできることがあれば」ってマイク(Mad Mike)から出演を打診してきてくれましたんです。マイク、実は今回の出演にあたって出演料の半額をチャリティーとして寄付する形で出演をしてくれているんですよ。

――あとメタモらしさというところでは日本のダンスミュージック黎明期にとって知る人ぞ知るDUB SQUADの再始動なんかも見どころですね。

M:彼ら、ずっと活動してなかったんですよね。ODYSSEYのチルアウトルーム〜初期のメタモにはずっと出てくれていたんですけど、03年くらいから活動を休止してしまって残念でした。それが今回は活動再開、新曲もやるって言ってくれていますし、楽しみです。

…インタビュー前編はここまで。ほかにもKRAFTWERK全盛期のメンバーだったKarl Baltosや808 State、Orbitalといったイブシ銀なダンスミュージックのゴッドファーザーが大挙して押し寄せたり、アジアの神秘を音で再現!なTalvin Singhがエキゾなグルーヴをお届けしてくれます。

そして何より、このインタビュー後に襲ったrei harakamiの逝去という悲報。その後盟友のタブラ奏者とともに「U-zhaan × rei harakami」という名義での出演が決まりました。こうした舞台を、マジカルな夜の一幕に組み込めるのがメタモの特色のひとつなのではないかと思います。必見です。

インタビュー後編は、メタモルフォーゼの内幕にフォーカスを当てたお話をお届けします。メタモルフォーゼ’11のチケットはまだプレイガイドで購入でき、バスツアーも受け付けているとのこと。ぜひチケット片手に後編をお待ちください!

【メタモルフォーゼ“前夜祭”!Ustreamで出演者ライヴ中継】
ここで耳より情報!なんと今週水曜日&金曜日に、メタモ出演アーティストによるDJプレイとライヴがUstreamで放映される予定です。インタビューでも話題にのぼったDUB SQUAD、そして謎の覆面(音を聴けば知る人ぞ知る)DEEP COVERという強力な2組によるサウンドを、伊豆に行く前に堪能できるというスペシャルイベント!配信はこちら、見逃し厳禁です!!

METAMORPHOSE 2011 PREVIEW : Vol.2
2011.8.24 (Wed.) 20:00 – 22:00
DJ: TARO ACIDA (DUB SQUAD DJSET)

METAMORPHOSE 2011 PREVIEW : Vol.3
2011.8.26 (Fri.) 22:00 -
LIVE: DEEP COVER × DUB SQUAD
VJ: DEADBOYZ

 

■METAMORPHOSE|メタモルフォーゼ
http://www.metamo.info
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■開催日
2011/9/3 土曜日
■開場 / 開演
16:30 / 18:00
■チケット
* 前売¥12,500
* 当日¥14,000

text by ryoji
※クレジットのない写真はメタモルフォーゼ提供

「メタモルフォーゼのはじまりとこれから DJ MAYURIインタビュー後編」はこちら

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