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カジヒデキ(カジヒデキとリディムサウンター)インタビュー 「ロックと長靴」を苗場で一緒に歌いたい!


 第4弾アーティスト発表にカジヒデキとリディムサウンターの名前を見つけて、「うわっ、去年の苗場食堂トリ(リディムサウンター)とトリ前(カジヒデキ)の興奮再び!」と歓喜した人も少なくないのではないでしょうか? 2010年の締めを飾った2組が今年はタッグを組んでジプシーアヴァロンに登場します。
 このユニット、実は活動は期間限定。昨年11月にアルバム『TEENS FILM』をリリース、今年の2月には全国ツアーを回り、今回のフジロックがラスト・ライヴとなる。う~ん、ちょっと残念。でもだからこそお見逃しなく!
しかし、フジロッカーのみなさんに見逃して欲しくないと思うのは、ただラストだから、というだけではないのです。「ロックと長靴」という曲をぜひ聴いて欲しい!! これはフジロックをテーマに書き下ろされ、昨年カジヒデキがフジロックに出演するきっかけとなった曲。雨におひさま、ダンスにシャウトと苗場で体験するすべてが盛り込まれた歌は、新しいフジロックのテーマ・ソングになりうる!? と思うほど。これは、絶対に苗場の空の下で、みんなで歌って踊りたい曲なんです!

2月のツアー
では全会場で振り付けつきで披露されていたので、「観た観た!」という人はそれを思い出して、観たことのない人はぜひこちらのDVD『TEENS FILM SHOW』で予習をして来て欲しい。ツアー観てないし予習もできないという人も、ちょっとでも気になったら2日目の13:45、ジプシーアヴァロンに集合ということで!

 フジロックの曲を書いた人をfujirockers.orgが放っておくわけにはいきません。「ロックと長靴」の作者でありカジヒデキとリディムサウンターの中心人物でもあるカジヒデキさんにインタビュー。この曲の誕生秘話、今年のいきごみなどをうかがってきました。

ーー2年連続のフジロック出場おめでとうございます! まずは出場決定の感想を。

カジ:素直にとてもうれしいです。僕のようなタイプのミュージシャンはフジロックに出るのは難しいのかな? と思っていたので。

ーー初出場の昨年は苗場食堂でしたね。

カジ:はい。あのときは雨なのにたくさんお客さんが集まってくれて、すごく感激しました。今までやってきたなかでも1、2を争うくらい印象深いライヴになって。でも、去年は正式なオファーがあったというよりは、イレギュラー、どっきり? みたいな感じで出演が決まったんです。

ーーどっきり!?

カジ:ブライアン(バートン-ルイス)とジョージ(ウィリアムズ)がやっていたフェス関連の深夜番組があって、そのフジロック特集にゲストで出させてもらったんです。その時に、「僕は今までフジロックに行ったことがない」という話をしたら「じゃあ、今から行って来なよ」って急にクルマに乗せられて苗場に連れて行かれて(笑)。「ついでに曲も作っておいで。出来が良かったら番組の最後に歌ってもらうから」って言われて、道中でフジロックをテーマにした曲を作ったんです。あの時はグリーンステージが出来る予定の場所で、明け方にひとりぼっちで歌わされて寂しかったですけど(笑)。でも、その曲がスタッフの方たちに好評だったらしく、苗場食堂に出させてもらうことが急に決まったという感じでした。それが「ロックと長靴」という曲です。

ーーフジロックに行ったことがないのに、あんなにぴったりな曲が作れるってすごいですね。

カジ:毎年、グラストンベリーとかレディングとか、もちろんフジロックにも興味はすごくあって、写真や映像ではチェックしていたんです。観てると、雨が降ってみんなドロドロになってるでしょ? でも、なんか楽しそうで。ある年のグラストの映像にピート・ドハーティ(Baby Shambles、ex. The Libertines)とケイト・モスのカップルが映っていて、その時ケイト・モスがすごくかわいい長靴を履いていたんです。その印象がすごく強くて「ロックと長靴」はそういう歌詞にしたいなと思って作りました。あのふたりが自分の中では題材になってます。

ーー今まで映像と想像の世界だったフジロック、実際経験してどうでしたか?

カジ:想像に近かったところもあるし、でも想像していた以上にオープン。すごく幸せな感じでした。雨降って、天気が悪くてもみんなハッピーってところがやっぱりいいなーって思いました。あと、去年出させてもらった苗場食堂はお客さんが食堂側にもいて、そっちでも「うぉー!」ってなってるのがすごくおもしろかったですね。

ーー今年はカジヒデキとリディムサウンターとしての出演となりますが、このメンバーでフジロックに出たいという気持ちは最初からあったんですか?

カジ:実は「ロックと長靴」はカジヒデキとリディムサウンターのアルバムを作った時に録音をしてたんです。その時から「フジロックに出られたらいいね。フジロックがラスト・ライヴにできたら最高だね!」という話はしていたので、今回決まって大団円です。この曲は結局、CDにはならなかったんですけど、お互いフジロックに出た後(2010年8月)にレコーディングをして、僕らが体験した空気感がすごく出た音源になっているので、いつかなにかの形で出せるといいなと思ってます。

ーーカジさんから見たリディムサウンターはどんなバンドですか?

カジ:去年の夏から自分のライヴをバンドでやるときはTA-1くん(リディムサウンターのドラム)にお願いしているんだけど、彼のドラムはすごく面白い! いい意味でおおらかで独創的!変に小さくまとまらない感じが好きなんです。リズムが少し走っても、彼がやっているとそれがいい方向になっていく。緩い曲でもソフトなだけじゃない、いい感じで曲が立っていくのでそれが気に入っています。リディムのみんなもそういう「動」なエネルギーがありますよね。例えば「ロックと長靴」も曲自体は柔らかい感じなんですけど、ああいう力のある人たちがやると大きな雰囲気の曲になるんですよ。
 KCくんはヴォーカリストとしての力量がすごくある人。歌も上手だし、ルックスもいいし、見せ方もうまい。リディムみたいに全員が動くバンドのなかで、フロントに立ってお客さんにアピールしていくやり方は本当にすごいと思います。あの世代がもっている自信を感じますよね。僕にはマネできないなあ(笑)。

ーーカジヒデキとリディムサウンターではカジさんがメインヴォーカルなんですよね?

カジ:ホントはもっとKCくんに歌ってもらったらよかったんだけど(笑)。でも、リディムのライヴだったらKCくんがコーラスをとることはないし、ギターを弾く姿も見られないから、ある意味レアですよね。でも、ギターを持ってのステージは制約もあるし、もっとはじけて欲しいので、彼がメイン・ヴォーカルの曲もやって、自由に動ける場も作ろうと思ってます。フジロックでは自分の曲と、リディムの曲を交えながら「カジヒデキとリディムサウンター」として決定版みたいなかたちでやれたらいいなと思ってます。

ーー自分たちのライヴ以外で今年のお楽しみはありますか?

カジ:NOAH AND THE WHALEが楽しみですね。ちょうど彼らがデビューした頃にロンドンでライヴを何度か観て、それ以来すごくファンなんです。記念すべき初来日ですし、彼らをフジロックのステージで観られるっていうのはうれしいです。あとは……COLDPLAY。ARCTIC MONKEYSからCOLDPLAYの流れは観たいな~って思います。その日はTHE SISTERS OF MERCYもあるんですよね。僕、高校時代はゴシックとかポジティブパンクとかすごく好きだったので。THE SISTERS OF MERCYって当時そのジャンルでは神様みたいなバンドだったんですよ。今はどんな感じなのか、すごく興味はありますね~(笑)。初日はTHE VACCINESも観たいしCSSも観たいし……。それで二日目体力なくなったら怖いなーというのもあって、どうしようかなと。お前はなにしにきたんだ!? というふうになってしまうと困りますから(笑)。でも、3日間とも観たいアーティストがたくさんいます。

ーーカジさんは海外にも良く行かれていますが、海外フェスの経験はあるんですか?

カジ:もう15年くらい前になりますけど、デンマークのロスキルドというフェスに行ったことがあります。4日間あるうち最後の2日間はeggstoneていうバンドのメンバーと野宿をしたんですけど、デンマークって夏といっても夜は氷点下にもなるんです。僕らは寝袋があったから良かったんですけど、クルマで寝ていたメンバーは風邪ひいたりして(笑)。でも、そんなことも含めて面白いですよね。夜中まで好きなライヴを観てキャンプして。なかなか出来ない経験でした。深夜の2時くらいにblurのライヴがあって、それをみんなで観たのとか思い出に残ってます。その時、花火が上がったんですけど、すごく真上で。「おっ!」と思って見てたら燃えカスが顔に落ちてきてやけどしたりして(笑)。そういうちょっとヘンなことも含めて、「夏の思い出」って感じです。フジロッカーの皆さんも、きっと同じような感覚で毎年会場に来ているんでしょうね。

ーーでは、最後に今年のいきごみとフジロッカーズにメッセージをお願いします。

カジ:カジヒデキとリディムサウンターのラスト・ライヴを由緒正しきフジロックフェスティバルでやらせてもらえるので、本当に最高のライヴにしたいです。「ロックと長靴」というフジロックがテーマの曲も作ったので、みんなで一緒に歌って楽しめたら最高だなと思っています。
フジロッカーの皆さんにとって、フジロックっていう幸せな場所があることは、すごく感謝すべきことだなと思うんです。でも、目一杯楽しんでいる皆さんがいるからこそ素敵な場所になっているというのもあるので、フジロックにも感謝だけど、ひとりひとりが感謝されてもいいと思う。感謝したりされたりしながら、「雨ニモマケズ」の精神で楽しんでもらえたらいいなって思ってます。

こちらの期待を裏切らない、爽やかな佇まいで、ひとつひとつの質問に丁寧に答えてくれたカジさん。カジヒデキとリディムサウンターの決定版ライヴもますます楽しみになってきましたね。最高に幸せな時間になること間違いなしのステージ、お見逃しなく!

インタビュー:輪千希美、堀内里美
写真:深野輝美

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